暁 〜小説投稿サイト〜
Blue Sea 『空と海の境界線』
Operation 02-発令、ファーバンティ解放作戦-
放たれた矢
Mission19「鶴の翼」
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ら何故か頭の中に流れ込んでいた機体の動かし方をとりあえずやってみた、それだけでもその人からは驚かれた。どうにもかなり稀らしい。

 そして頭の中で武器の中身を確認する。長射程のレーザーライフル、近接戦闘用のビームガン、そしてレーザーライフルの照射とミサイルの射出くらい。って、これ支援タイプじゃん……空母としては支援する側だったから、あまり変わらないけれど……。

「そういえば、ウチの部隊にも同じような支援向きの装備をしているやつがいたなぁ……」
 オレンジ色の長い髪でウサギの耳と尻尾を生やしているその女性が言った。

「ああそうだ、私はシャーロット・E・イェーガー。気軽にシャーリーと呼んでくれ。あと、どうにも面倒な状況になってそうだ」

「あ……」
 それが私が見ても理解できた。量子化の影響でいろいろ基地の警報が鳴ってたこと。




同時刻 作戦海域

「聞こえるか?これより回収段階に移る」
『ようやく私たちの仕事がきたんですけどぉ……』
『まあここまでは事実上サラトガさんの護衛……仕方ないことだ』

 まあ事実上仕事がそういうものだからな。と思いつつサラトガを除く5隻(吹雪含め)は大鳳を取り囲みつつワイヤーを張り船体を安定、リンクして動力系の臨時修復をしつつ航行補助を行う。

 それを見つつも大鳳の損害を確認する。甲板の一部が吹き飛ばされているのと動力系に対しての被害がひどいことから、一部か所に集中砲火を浴びせられたと推測した。にしても、あの星奈と呼ばれるウィッチはよく一人で守り切れたな……と感心する。

(……問題は照月の方だな)
 あっちもやる必要が出たら、今度は人数の割り振りが足りない。今回の場合は5隻もいないと引っ張りきれないのだ。それを問題としてしまう最大の理由は動力系全壊に加えた積載の重さも足を引っ張っている。

(もっとも、あの2人なら強く、繋がってる)

 そう確信したい……だが彼は自分の鎮守府にいる艦娘が「ウィッチ」として目覚めたことを、まだ知らない。



 鶴の声が『虚空』ではなく『空』に響き渡る。それは空を目指したものが手に入れることが出来たもの。それを彼は、鎮守府に戻ることで知ることになる。







 艤装を失ったものは、何になるのか。
 その答えを知る者は少ない。


 解となる、ウィッチという言葉。可能性の翼。






 それは、鶴の想いによって鶴の手に舞い降りる。

 デュナメスと呼ばれるそのストライカーは、この世が生み出したもの―――――――なのだ。



 鶴は決めた。「空」を守ると。デュナメスは、それを受け止めた。


 彼女の想いを乗せるように。
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