第三十七話
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すると、木曾はかなり焦った様子でこう言った。
『ヤベェ…………あいつら、赤城さんを食い物で寝返りさせた!』
―演習開始前―
「あのー、赤城さん?ちょっといいかな?」
「あなたは確か…………瑞鶴さん?どうしたのかしら?」
「いえ、ちょっとですね。…………寝返って二三人ほど沈めたいから、協力してもらいたいんですよ。」
「なに言ってるんですか。するわけ無いじゃないですか。」
「ここに、そちらの提督の弱味と間宮食堂裏食券があるのですが。」
「やりましょうとも!!(じゅるり)」
―今―
「はぁ!?」
確かに、赤城さんは食い物に弱い、いや、かなり弱いけど、そこまでなのか!?
『今オレ達は、飛んでくる爆撃機とかを目安に進んでたんだが…………間違いなく赤城さんが飛ばしてる。』
なんて人だ…………。
ただのダメ人間じゃねぇかよ!
「っつーことは、赤城さんはこの通信も聞いてるのか…………ヤベェな。」
ぶっちゃけ、それってアリなのか?ってぐらいの手だけれども、戦場では騙し合いなのだ。騙された方が悪い。
…………深海棲艦と手を組む人がいるかどうかはさておき。
「あー、ついでに言うと、取り合えず俺が担当してた二人は大破にさせた。けど、この様子だと、時雨と摩耶は絶望的だな…………。」
俺が相手なら連れてきたところを間違いなく大破させてる。
『おまけに食い物で釣ったとなると…………今の赤城さんは間違いなく暴走してる。』
「暴走?」
あれか、夜戦のときの夕立みたいな感じか?
『あんな感じになったら、オレでも止められるかどうか…………。』
「嘘だろ!?」
『魔神木曾』に止められないものをどうやってオレらに止められるんだよ!
『こーなったら、まず演習を終わらせよう。そうしたら、加賀さんに来てもらおう。あの人にしか赤城さんは止められねぇ。』
すげぇな加賀さん。
「取り合えず、俺も爆撃機をたどってみる。恐らく、残りの二人もそこに居るんだろうな。」
『あぁ。それじゃ、着いた方から攻撃開始で。んじゃな。』
そう言うと、木曾は通信を切った。
「明石さん、すいません。この海域の近くに加賀さんを呼んでください。『赤城さんが暴走してる』と。」
俺が明石さんにそう伝えると、顔を真っ青にして頷いてくれた。どんだけ怖いんだよ。
「さてと、俺も行きますかね。」
俺は空を飛んでいる爆撃機のあとを追いかけ始めた。
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