第三十七話
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ながらゴソゴソと何かを探していた。恐らく対空装備だろう。
実は、ほぼすべての能力が呉鎮守府最強の木曾(噂によれば水上機もらしい)だが、なんとなんと、対空射撃だけは並だ。
…………いやまぁ、木曾も普通の人間だ。苦手なことのひとつくらいある。
だけどさ、
「俺より成績良いくせになーに言ってんだか。」
こうなるとただの嫌味にしか聴こえないよな。
『あーはいはい。んじゃま、もうちょい持ちこたえといてー。』
木曾はやらかしたとでも思ったのか、早々に通信を切った。
たまに不用意な発言するんだよな…………色々常人離れしてるけど、一応年相応なんだな。
ドゴォン!
そんなことを思っていたら、俺が隠れていた岩に砲撃が直撃したらしい。
「わっとっと…………これは気合い入れてかねぇとなぁ。」
俺は腰に付けたあるものに手を掛けた。
さぁて、木曾ほどじゃないけど、暴れて来ますかね。
―数分後―
「なぁ、なんかおかしくないか?」
千尋との通信を切ってから数分後。千尋の元へと進んでいた時に、長門さんがそう切り出してきた。
「ん?なにがだ?」
「いや、二つあるのだが…………摩耶からの通信が無いんだ。」
そう言えば、演習開始直後に分かれてから一回も通信が来ていない。摩耶には、『作戦が終わったら通信するように』と言っておいた。
「でも、だとしたら時間がかかりすぎてる。いくらなんでも摩耶と時雨、おまけに赤城なら戦艦と軽巡一隻ずつなら十分も掛からないだろう。」
既に、演習開始から一時間は経っていた。
「と言うことは…………かなり、粘られてる…………?」
実際、オレ達が相手にした二人はかなりちょこまかと動いて、逃げ回ってるようにも見えた。
「何かの時間を稼いでいる…………?」
オレはそれに気付くと同時に、何の時間なのかを考え始めた。
「後さぁ…………。」
そんなところで、長門さんはたった今向かってきた爆撃機を指差す。
「あれ、赤城のではないか?」
―更に数分後―
「ふぅ…………何とかなった…………。」
俺は大破に持ち込んだ敵艦二人を明石さんに連れて行って貰いながら、汗を拭っていた(ルールとして、大破された艦娘は回収担当の艦娘に連れていかれることになっている)。
わざわざこの一ヶ月、天龍に教えてもらって良かった。
『おい二号!聴こえてるか!?』
すると、いきなり耳元から大音量で木曾の叫び声が聞こえた。
「っ!おい!そんな大声出さなくても聴こえるわ!何だよ一体!」
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