その十六「二学期初日の風景-参」
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ミーンミーンと長い夏のお休みが終わってしまったことを悲しむように夏の蝉が鳴いています。
「そこ! 髪がボサボサですよ、寝ぐせは朝家で直して来なさい!」
「はいっ、すみませんっ生徒会長!!」
今日は久々の登校日です。休み明けという事でみんなお休み気分が抜けず、眠そうな顔をしている人ばかり、そんな人たちを注意し服装を正してあげるのが、自分たち生徒会の仕事なんです。
「分かればいいのです。さ、お手洗いに行って直して来なさい」
「はーい」
「返事は伸ばさない!」
「はひ!」
寝ぐせで髪の毛が遊んでいる男子生徒を叱っているのは、生徒会長の高浜 律子先輩。生真面目で風紀を乱す人は絶対に許さない、生徒会長の鏡…みたいな人と、でも言っておこうかな。
…会長はこの変な学校の2番目の被害者だと思う。1番はもちろん、しーさん。しーさんは自分が守ってあげなきゃ!
「そこの貴方!」
「?」
会長が突然、大きな声を出したです。どうしたんですかね、なにか問題でも? …と見てみると
「なんだ、あれ…」
ポーズを決めて、どや顔で立っている変な男子とその後ろに
「おいっ、風が足りないぞ。
もっと扇げ! 優雅様の登場場面だ!」
ばっさばさ〜。とうちわを扇ぐ男子生徒その1
「ほら、その輝く粉をもっと撒け! 光も当てろ、大事な登場効果だぞ!」
キラキラキラ〜☆ と鏡を持っている男子生徒その2
「…ああ、転職したい。転職希望…」
めんどくさそうにキラキラの粉を撒く男子生徒その3
「なに…あの人達」
整った顔もさることながら、とにかく無駄に派手で色々で人目を引く男子生徒のご登場…です。
この学校は呪われてもいるのかな。個性が強すぎる変人たちに。
あの無駄に派手な人は全然校門前から、動いてくれません。「僕様をどうぞ見てくれ!」なんて言ってます。キモいです、変人、変態、には即刻お帰り願いましょう。
「…あの邪魔なんでさっさとそこ、どいてくれせんか?」
と言ってひと睨み。派手な人は「あ…はい」と言って一目散に校舎の方へと逃げて行きました。ああー良かった、絡まれなくて。
あんな変な人に絡まれたら、自分のライフがレッドゾーンになってしまうところでした。
「……ふふ。ふふふふ」
「……うわ」
自分の持ち場に戻って来ると、重たいストレートヘアに分厚い丸メガネ(アラレちゃんメガネ) よく言えば文学少女? の翡翠(ひすい)) 彗先輩が滝のようによだれを流している。
「…あ。みきちゃん」
お話が始まって中盤くらいまで進んだのに、そういえばまだ自分、自己紹介してなかったですね。
えっと、初めまして……
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