第十四幕:寄り添う虹と距離を取る心
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♪」
時崎「ありがとう」
七夏「どう・・・かな?」
時崎「いい味・・・美味しいよ! 七夏ちゃん!」
七夏「良かった♪」
七夏ちゃんは、先ほどと同じように何かをノートに記しているようだ。
時崎「何を書いているの?」
七夏「えっと、お料理の記録です♪」
時崎「毎回、記録してるの?」
七夏「えっと、お手本に書かれている事と違う事をした場合、記録してます☆ 同じ材料でも季節によって味が変わりますから」
時崎「なるほどねー。そこまで考えた事が無かったよ」
七夏「くすっ☆ これは、お母さんの受け売りです☆」
時崎「それでも、さすがというべきだよ」
七夏「他には、柚樹さんが美味しいって話してくれた事も記録しています♪」
時崎「え!?」
七夏「えっと、私だけの判断ではなくて、客観的に判断できるように・・・って・・・その・・・柚樹さんの好みも、覚えておきたいなって・・・」
七夏ちゃんの顔が少し赤くなっているような気がした。このままでは二人とも熱膨張で蒸発してしまいそうだ。俺は気持ちを切り替える。
時崎「七夏ちゃん! 今日の夕食、楽しみにしてるよ!」
七夏「え!? はい☆」
俺は居間へと移動した。このままここに居ると、息が詰まりそうになりそうで、つい距離を取ってしまう・・・。七夏ちゃんとの程よい距離感が分からないままだ。虹は近づき過ぎると見えなくなる・・・一度見えなくなると、虹の方から歩み寄ってくれないと、見つけるのは難しい。俺は、虹がもっとも輝いて見える距離を探し続けていた。
第十四幕 完
−−−−−−−−−−
次回予告
虹が見える所に居たい・・・一緒の時を過ごせる喜びは、いつしか幸せへと変わる。
次回、翠碧色の虹、第十五幕
「ふたつの虹と一緒に」
無関心な事でも、大切な存在の関心事であれば「無」ではなくなってゆくのだと思う。
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