第十四幕:寄り添う虹と距離を取る心
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・・・ずっと、同じ姿勢で作業をしていたので、肩と首に痛みを覚える。雨も上がったみたいだから、写真屋さんへ出かける事にする。
時崎「凪咲さん!」
凪咲「あら。柚樹君。雨は上がったみたいね」
時崎「俺、これから出掛けますけど、何かお使いとかありますか?」
凪咲「ありがとうございます。では、お願いしてもいいかしら?」
時崎「はい!」
俺は凪咲さんから買い物メモを受け取る。
凪咲「本当は、七夏に頼もうと思っていたのですけど・・・」
時崎「七夏ちゃんは、今日、ずっと宿題進めているみたいですから・・・」
凪咲「そうなの?」
時崎「はい。七夏ちゃん、明後日、天美さんと海へお出掛けするらしいので」
凪咲「あ、その事なのですけど、柚樹君にお願いしてもいいかしら?」
時崎「え!?」
凪咲「七夏に付き添ってもらえないかしら?」
時崎「いいんですか!?」
凪咲「はい。やはり、高校生になったとはいえ、女の子だけで海って言うのは、ちょっと心配もあって・・・」
時崎「俺は、構わないですけど、七夏ちゃんたちがどう言うか・・・」
凪咲「ありがとうございます! 七夏には、私から話しておきますので」
時崎「分かりました。七夏ちゃんの笑顔も撮影しますので!」
凪咲「まあ! ありがとうございます!」
時崎「それでは、出かけてきます!」
凪咲「はい。あっ!」
時崎「え!?」
凪咲「お買い物で分からなかったら、無理しなくていいですから」
時崎「はい。その時は、電話で連絡します・・・って、電話番号は・・・」
・・・今まで、民宿風水の電話番号を知らない事に色々な意味で驚く・・・
凪咲さんから電話番号を聞いて、携帯端末に登録した。
時崎「それじゃ。行ってきます!」
凪咲「はい。お気をつけて!」
俺は、写真屋さんで、七夏ちゃんの写真のプリント依頼を行った。レイアウトデザインソフトでのデジタル入稿が可能かどうかも確認した所、完成サンプル品を見せてもらえた。やはり、実際にアルバムになると、デジタルデータとは違って存在感と、温かみが増すように思える。俺が作ろうとしているアルバムも、こんな形で凪咲さんに渡せるといいなと、改めて思った。アルバムを賑やかにするには、七夏ちゃんの協力も必要だ。けど、七夏ちゃんと一緒にアルバムを作ると、七夏ちゃんを驚かせる事は出来ない・・・。俺は、七夏ちゃん用にも、別の形でアルバムを作ろうと計画する事にした。七夏ちゃん用のアルバムは普通のアルバムではなく、何かもっと印象に残るようなアルバムに出来ないだろうか?
凪咲さんから頼まれたお買い物は「玉子」「牛乳」といった、馴染みの食材だったので、特に迷う事はなかった。俺は買い物を済ませて、民宿風水へと戻る。
時崎「ただいまー」
留守って事はない
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