西風の兄妹と太陽と闇の姉弟
第24話 成長した姿
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体に掠り傷が出来ていく。
「前よりも早くなってるじゃないか!戦えば戦うほど強くなるのは知ってるが最近はそれが異常に早くないか?」
「そりゃこんな極上の獲物とやり合ってるんだもん。リィンだってそう言って直にシャーリィの動きに対応してるじゃん。やっぱりシャーリィとリィンってお似合いだね?」
「戦闘狂扱いは御免だ」
リィンは否定するが掠り傷しか当たらないという事は彼もシャーリィの動きを即座に見切って尚且つそれに付いていくほどの実力を持っているということだ。じゃなければリィンはとっくの昔にシャーリィに殺されていただろう。
リィンとシャーリィの武器が火花を散らしながら切り結んでいく。昔ならつばぜり合いなどすれば刀がチェーンソーに持っていかれてしまう所だったが今のリィンはアルゼイド流の氣の鍛錬で見た目以上の膂力を引き出している。
太刀自体もかなりの技物を使っているがそれに八葉一刀流で学んだ自身の氣を武器に流す技によって強度をより底上げしているから刃こぼれなどはしていない。
そんなリィンの成長にシャーリィは歓喜の笑みを浮かべて愛おしそうに彼を見つめた。
「ああもう?リィンってばシャーリィに負けないようにってドンドン強くなってるね。シャーリィの事をこんなにも喜ばせてくれるなんて本当にサイコーだね?」
「別にシャーリィの為に強くなっているわけじゃないんだけど」
「うっそだ―――!だってあたしの胸をこんなにもキュンキュンさせているのに?下だってもうビショ……」
「変な事を言うのは止めろ!」
殺し合ってるにも関わらず普通に話し合える辺り、どちらも異常にしか見えない。少なくとも普通の一般人には理解できない光景だろう。二人が戦っていると突然シャーリィが離れて武器を収めた。リィンは何事かと思うがその理由が直に分かった。
「あ、ザックスじゃん。どうしてここにいるの?」
「お嬢、戦いの最中に申し訳ありません。ですが急ぎ伝えなければならないことがありまして……」
「ん、いいよ。話して」
二人の前に現れたのは赤い星座の一員であるザックスという猟兵だった。
リィンは最初は彼が所属するランドルフの部隊が増援に来たのかと思ったが、どうやら彼一人のようで増援とは違うようだ。シャーリィが武器を収めたためリィンも一旦戦闘を中断する。
「今回の依頼なんですが一部伝えられた情報と違う事がありまして……」
「違う事?」
「はい、今回の依頼は指定された貴族の暗殺でしたが、どうやら標的と依頼者がグルになっていたそうです。お互いに雇い合った猟兵に戦わせて壊滅させたほうが貴族の娘を自身の婚約者にする……ということらしいです」
「ふーん、つまりシャーリィたちは良いように利用されたって事?
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