第三章
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られた。そして」
その忠義の者達も瞼に思い浮かべる。どの者も。
「申し訳ないことをした。わしは決して忘れぬ」
己の迂闊さ、そしてその迂闊さにより彼等を犠牲にしたこと。そうしたことを全てだというのだった。
そのうえでだ。家康は今度はこう言った。
「では今からじゃ」
「はい、着替えますか」
「そうされますか」
「いや、服はこのままでよい」
『味噌』を零したままでいいというのだ。
「服はな。絵師を呼べ」
「?絵師をですか」
「ここにですか」
「今のわしの姿をありのままに描かせる」
こう言うのだった。
「そして今のわしの姿を生涯の戒めとするわ」
「この戦のことをですか」
「そうされますか」
「わしは決して忘れぬ」
苦々しい、だが前を見ている言葉だった。
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