GENESIS・PROJECT
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である。
「───やはりあの真実を語らないといけないか」
◆◆◆
───GENESISは未来から来たと推測される、理性を持った生命体の一種だ。放射性炭素年代測定でさえ、それらの年代を導くことは不可能であった。そもそも身体の骨格が我々とは乖離したものであり、暫定的に『未来から来た秘密生物』と河城博士が決定した。
それらは計五人がPYT研究所管轄内の森…研究用施設で発見された。近くには何かしらのものと思われる鋼鉄の残骸が散乱し、辺り一面は焼け野原となっていた。今もその残骸を元に解析は続いている。
───GENESIS、新たなるこの世界の「創世」に役立つとして信じられてつけられた名前だ。それらは研究の第一人者である河城博士が名付けたものだ。
当時、奴隷貿易で盛んだったPYT研究所に対して多くのデモが発生していた。デモで研究所が襲われ、力が全て流出するという最悪の事態を想定した博士は、対策を取るためにとある計画が始動した。
───河城博士を中心に、私たちは未来生物「GENESIS」を基に、集めた奴隷の力を分散させ、保存させるスーパーコンピュータを作る計画だ。…GENESISは外見では死んでいたが、心臓は止まっていなかった。
河城博士はそれらの生命や一部の細胞を機械に移植させることで計画を成功させ、無事に役割を果たすことになった。その結果、GENESISは自らあのような形に変形を遂げ、自ら動くようになった。
元あった身体は蛻けの殻となり、今でも解剖学の最先端医が研究を続けている事だろう。
───これを私たちの中では『GENESIS・PROJECT』〈ジェネシス・プロジェクト〉と呼んでいた。しかし極秘内容であり、GENESISの真相を知っているのも上層部の僅かだ。
「…これで分かったか?」
「そういうことね。要するに突然降って湧いた生き物を計画で使った、と言う事でしょ?」
「そうだ。…何にしても未来生物『GENESIS』だ」
彼は悲しそうな顔を浮かべていた。全てを霊夢に話したとは言えど、過去の束縛から逃れられるわけではないのだ。皺を何重にも浮かべた白衣が悲哀を辛く物語っている。
「でも情報が漏洩されると分かっていて、あんたを解雇するなんて…向こうも馬鹿ね」
「いや…ホントは解雇なんてされていない。逃げてきたんだ」
研究者は静かに、驚くべき事実を口にした。元より話が分かっていた霊夢やフランは一驚に馳せ、目を丸くさせたのだ。唖然として感情が無に回帰する霊夢は反射的に冷や汗を掻いていた。流れる汗は服を伝っては孤独に大地へ堕ちる。その雫は地を鳴動させ、今に世界を揺れ動かさんとするのである。ただ研究者を見つめる二人の中、最初に開口したのは霊夢である。彼女は落ち着きを辛うじて取り戻すも、その興
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