第一話 魔王召喚
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分からないままうろたえていたサタンだが、突如としてルイズの手が両頬に添えられた。
そして、細身の少女とは思えないほどの力で引き寄せられ、その唇をルイズに奪われてしまった。
「んぐっ!?」
先程から理解の追いつかない現象が多発しすぎて頭がパンクしそうだ。
サタンは唇に感じた柔らかな感触を味わうことなくルイズの肩を掴み、強引に彼女を剥がしにかかった。
「お、女の子がそう簡単に唇を許しちゃいけませんってお母さんに教わらなかったのかよッ!?」
「こ、コレはそういう意味のキスでは無くて、契約の為の物なのッ! だから、セーフよ。そう、セーフなんだからっ!」
自分に言い聞かせるようにも感じられる言葉を並べるルイズにサタンはさらに困惑する。
何せ、知らない詠唱を耳にしたばかりか、今まで一度として許したことのなかった口づけを、何処の誰とも知れない目の前の美少女に奪われたのだ。
正直言って、不細工な面の女に奪われるよりは幾分もマシだが、『契約』だのなんだのと口にしている時点で警戒するに値するのは確かだ。
??やっぱり、強引にでもこの場から逃げた方が良いか?
そんなことを脳内で考えながらルイズから距離を取ろうとしたサタンだったが
「――ッ!? こ、コレは……ッ!? うぐぁぁぁぁぁあああ〜〜ッ!」
突然左腕を中心とした激痛が身体を襲う。
まるで、灼熱の炎に飛び込んだかのような熱さと、皮膚を焼かれるような激痛に悲鳴を上げるサタン。
これほどまでの激痛を味わったのは、初めてドラゴンを一人で討伐した時以来だろうか。あの時も身体に奴の歯型が残るくらいの痛みを覚えたが、あの時以上に辛い気もする。
そんなことを考えながら地面に倒れ痛みから逃れるように悶絶するサタン。
しばらくすると痛みは治まったが、それと同時に身体を襲ったのは強い眠気と疲労感だった。
おそらくは勇者との戦いで癒えたと思っていた傷が今の衝撃で開いたのだろう。
「ルイズ……お前、俺の身体に何をした……!」
「契約をしただけよ。『あなたは私の物』って証拠を身体に刻み付けたようなものかしら」
「刻み付けるにしても、痛みを伴いすぎると思うぞ……!?」
息を整えながらそう返す。
身体に疲労が溜まり、今にも倒れそうだが必死にそれを抑え込んで笑みを見せる。だが、それがやせ我慢であるのは間違いない。
サタンを見据えるルイズの表情がそれを物語っている。
「とにかく、話を聞かせてもら……おう……か」
しかし、いくら魔王として魔族の王に君臨していたサタンでも、疲労困憊した状態で追い打ちをかけるような痛みを受ければ限界も訪れる。
ルイズに事の詳細を聞こうとするも、それを全て発
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