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ゼロの使い魔王さま!
第一話 魔王召喚
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め上げた。
 見慣れた自分の腕ではない。見たところ、人間のソレに近いものだろうか。
 目の前で腰に手を添えて前かがみにこちらを睨む少女と同い年くらいの少年の手にしか見えない。

「何だよコレ……? 俺は、人間に……?」

「さっきから何を言ってるのよ? アンタは最初から人間じゃない」

「いや、俺は魔族だ。――魔族のはずなのに、なんでこんなことに……」

 死後の世界にしては冗談が過ぎる。
 今まで人間を殺すために強くなってきたというのに、その人間に姿を変えられるとは。

 まさか、目の前の少女が自分をこのような姿に変えたのだろうか。
 昔、部下一人の悪ふざけで人間に姿を変えられたことがあるが、あれと同じ事が起きているのなら辻褄は合う。

 この娘、有能なのだろうかと考え始めていたそんな時、

「ルイズ、『サモン・サーヴァント』で平民をだしてどうするの?」

 声からして少女だろうか。
 彼女の声が辺りに響き渡ると同時に、サタンの顔を覗き込む少女以外の全員が笑った。

「ちょ、ちょっと間違っただけよっ!」

「間違いって、ルイズはいつもそうじゃん」

「流石はゼロのルイズだ!」

 誰かがそういうと、人垣がどっと爆笑する。
 どうやら、サタンの顔を覗き込んでいた目の前の少女はルイズと言う名前らしい。

 彼女は顔を真っ赤に染め上げ今にも暴れ出してしまいそうな顔で自分を笑う少年少女たちを睨みつけているが、サタンには彼女が浮かべる嫌悪感が彼女自身にも向けられているようにも感じられた。
 あのように他者からけなされているということは、それほど有能な人物ではないということなのだろう。

 そして、そのことを他ならぬ彼女自身も嫌悪している。なんとも哀れな姿だ。

「アンタたち……」

 涙を大きな瞳ににじませながら人垣を睨みつけるルイズ。
 すでに我慢の限界にまで怒りが達しつつあるというのに、それを解放して彼らに突っ込んでいかないのは何かしらの理由があるのだろう。

 しかし、サタンからすればそんなことはどうでも良いことだ。たかが人間風情の他愛の無い喧嘩のようなもの。
 彼女が彼らに怒りをぶつけようがぶつけまいが、関係のないことである。

 だが??

「貴様ら、さっきから聞いていれば何が可笑しいんだ? この娘が何をしたって言うんだ」

「「――ッ!?」」

 不愉快極まりない。サタンが先程から笑う少年少女たちに浮かべた感情はそれだけだった。
 目の前のルイズと呼ばれた少女を笑うその姿勢も癇に障るものではあったが、何より彼らの彼女を見据える視線が気に入らなかったのである。

「おい。お前が俺をここに”呼んだ”わけだな?」

「――は、はい……」

 先程
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