第九章
[8]前話
「人は内面ですね」
「はい、そして多くの奇麗な人がいますね」
「顔についてもですね」
「そうです。奇麗な人もです」
「一人ではなく」
「沢山います。それにです」
シュトックハウゼンも穏やかな笑顔でシュターゼンに話していく。
「大事なのはその内面です」
「そうですね。本当に」
「そうしたことが全部あって、ですね」
「新生です」
それができたとだ。シュターゼンは自分から言った。
「できました」
「それは何よりです」
「ドイツに帰ったら」
その時にどうするのか。シュターゼンは晴れやかな目で言えた。
「新しい恋を見つけますよ」
「それはいいことですね」
「それにです」
「それに?」
「本当に美人ってのはあれですね」
こんなことも言ったのだった。
「星は一つじゃないですから」
「ええ。沢山いますね」
「どの場所にもいますね」
「ですから。一つの恋に破れても」
それでもだとだ。シュトックハウゼンはそいのシュターゼンの背を押す様にして話した。
「まだまだ恋はありますしね」
「そうですね。この旅では恋は見つけられませんでしたが」
「それでもですね」
「はい。多くの奇麗な方と会えました」
そして話せた。そのことからわかったのだ。
「それならですね」
「同じ様に出会いがありますので」
「じゃあ。楽しみにしています」
その出会いもだと言ってだ。そうしてだった。
シュターゼンはドイツに帰ってからのことを楽しみにしながら帰路にあった。そしてシュトックハウゼンはドイツに戻って次のツアーの準備にかかっている時に自宅で一枚の手紙を受け取った。
その彼にだ。妻が家事をしながら問うた。
「誰からの手紙なの?」
「前のトルコのツアーの時の人だよ」
「そうなの。それで何て書いてあるの?」
「うん、幸せを手に入れたってさ」
そう書いてあるとだ。彼は妻に笑顔で話した。その手紙には満面の笑顔のシュターゼンとブロンドの美人が映っていた。そしてその写真と共にだ。その幸せを手に入れたことが細かく書かれていた。
美女は何処にでも 完
2012・5・3
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