第百二十四話 決死のケーフェンヒラー中佐
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確認をする。
「貴族は間違えなくその写真の老人ですが、准将が違います」
『となると、刺客だ』
考え込むグリンメルスハウゼン上級大将、その間に義父のケーフェンヒラー大将とケスラー少将が総監室へ駆けつけてきた。
『ヴェルナー、よく頑張った。引き続き情報をおくれ』
ケーフェンヒラー大将も息子の生存に喜びたいが我慢して、任務を続けるように命じる。
「はっ」
義父に色々仕込まれた自分として、義父の気持ちがわかるケーフェンヒラー中佐は負傷を押して見事な敬礼をする。
その後ケスラーより謁見の間の映像を転送できると聞き直ぐさま映像を憲兵隊へと送るのであった。ケーフェンヒラー中佐の活躍で、今回のクーデターが皇太子とクロプシュトックとリューネブルクにより行われた事が判明したのである。
憲兵隊総監部ではグリンメルスハウゼン上級大将、ケーフェンヒラー大将、ケスラー少将が唸っていた。
「まさか皇太子殿下が」
「テレーゼ様暗殺未遂も殿下だったとは」
「テレーゼ様にお伝えしますか?」
「するしか有るまい」
「しかし」
「殿下はお強い方だ、それに教えないわけには行くまい」
結果的に午前11時10分テレーゼに緊急電としてグリンメルスハウゼン上級大将が事の次第を伝える事になった。
帝国暦483年8月5日 午前11時10分
■オーディン 戦艦トレプトウ
低空を進むレトプトウにグリンメルスハウゼン上級大将からの緊急電が入ったとき、今までと違いケスラーでない事にテレーゼは違和感を覚えた。
「グリンメルスハウゼン、如何した?」
『殿下、皇帝陛下のご無事が確認出来ましたが』
その言葉にテレーゼは喜色を見せるが、歯切れの悪い言葉に先があると感じた。
「それで」
『はっ、現在謁見の間において、皇太子殿下、クロプシュトック侯爵、リューネブルク准将が皇帝陛下とリヒテンラーデ侯爵に銃を突きつけている状態です』
「なに、兄上がですか」
テレーゼにしてみれば、兄が何故という感覚であったし、クロプシュトックなら判るが、何故リューネブルクが参加しているのか判らなかった、何故ならクロプシュトックはクレメンス派であり、リューネブルクはリヒャルト派で、仇敵同士ではないかと。
『誠に恐れ多き事なれど、皇太子殿下の御謀反は揺るぎなき事実と相成りました』
此処で、泣き叫んでもしょうがない、帝国を守るためならば、自らの野心のために帝国に仇為す輩は、兄とて容赦しないとテレーゼは心を鬼にして悪魔モード全開と成った。所謂『此が私の全力全壊』である。
「グリンメルスハウゼン、ライムバッハーにもこの事を伝えよ、更にクロプシュトックであれば、艦隊にも更に注意を行え。それと、ラプンツェルを発進させ当艦にランデブーさせよ」
有無を
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