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美女は何処にでも
第七章
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「ではもう少しですが」
「はい、旅を最後まで、ですね」
「楽しんで下さい。旅とはです」
 それはどういったものかと。シュトックハウゼンはツアーコンダクターの立場から話した。
「それはただ普段とは異なる場所に行って楽しむだけではないのですから」
「それ故にですね」
「はい、今の旅をです」
「最後まで過ごせというのですね」
「そうして下さい」
 シュトックハウゼンはこうシュターゼンに話す。そしてシュターゼンもだ。
 ソーセージとサラダ、ジャガイモのサラダを食べる。そのサラダを食べてだ。今度はこんなことを言った。
「ところでなんですが」
「このサラダやソーセージですね」
「思ったよりドイツの味になっていますね。むしろ」
「ドイツのものより美味しいとは言いませんよね」
「ははは、流石にそれは言わないです」
 笑ってだ。シュターゼンはそのことは否定した。
「幾ら何でも」
「そうですね。ドイツの味はですね」
「ドイツにしかないですからね」
「やはりドイツの味が一番ですね」
「ええ。ただ本当にこのトルコのソーセージもサラダもパンも」
 ひいてはスープもだとだ。シュターゼンは話していく。そのトルコのものを食べながら。
「香辛料の味が強いですね」
「トルコはイスラム圏ですから」
「だからですね。やはり」
「はい、イスラムの料理は香辛料を多く使います」
 これは昔からだ。それもアラビアンナイトの頃からだ。理由は簡単でイスラム圏では香辛料はふんだんに手に入るからだ。欧州とは全く違い。
「ですからこうした味になります」
「ドイツのものを作ってもですね」
「そうです。ですからドイツの味とは微妙に違っています」
「そうなりますね」
「この味も味わって下さい」
 そのトルコの味のドイツ料理もだというのだ。
「実にいいものですよ」
「では」
 シュトックハウゼンのその言葉に従いだ。シュターゼンは笑顔で朝食を食べる。そしてこの日はイスタンブールの市場に入った。左右にあるその店達と行き交う人々を見る。
 市場の中には羊の肉もあれば野菜もあれば魚もある。そして土産ものもだ。貴金属も眩く光りものを見る客達も目が活き活きとしている。当然店の者達もだ。
 そういったものを上に覆いがあり雨や日差しを防いでいる市場の中で見ながらだ。シュターゼンは言った。
「凄いですね。ここも」
「イスタンブールの見所の一つです」
「モスクだけではなくですね」
「はい、この市場もです」
「活気が凄いですね」
 何が凄いかというとだ。それだった。
「ボンの市場よりも凄いですね」
「というよりはドイツの市場自体がですね」
「ここまで賑やかでは
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