第5章:幽世と魔導師
第128話「海鳴の門の守護者」
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=優輝side=
「……シッ!」
すれ違いざまに、妖を切り裂く。
司からの念話を受けてから、既に数分経っている。
「……こっちか…!」
妖が現れる原因である幽世の門を探して駆け回り、ようやく目星がつく。
感じられる霊力が一際強い場所があり、そこへと向かう。
「……海鳴臨海公園だと…?」
妖は普通に妖怪だとかを基にしている。
公園にはなんの逸話もないから、門があるとは思えないんだが…。
「(とにかく、行ってみるか……)」
門を閉じない事には何も変わらない。
僕は門があると思われる場所へと足を急いだ。
「……ここか…」
海鳴臨海公園。そこの、海を眺めれる場所。
緋雪が死んだ場所でもあるその場所に、門となる穴があった。
「……これが、幽世の門か……」
見るだけでもわかる瘴気を放っている。
ここから妖達は湧き出ているのだろう。
「さて、閉じ方は…」
門を探している間に、椿たちに閉じ方を念で聞いておいた。
そのため、僕でも門を閉じる事は出来る。
…問題は……。
「……来るな」
強い力が門から感じられる。
そう。門には守護者…所謂ボスがおり、それを倒さなければならない。
どうあっても邪魔される上に、存在する限り閉じられないようだ。
「(…さて、何が来る…)」
リヒトをグローブ形態に変え、シャルを構える。
そして、守護者が姿を現し―――
「……………え……?」
―――その瞬間、僕は思考するという事を忘れていた。
「なん、で……」
改めて現れた守護者の姿を見る。……そして思う。“ありえない”と。
そう。あり得るはずがないんだ。
「っ………」
なんで。どうして。嘘だ。ありえない。夢でも見ているのか。
……溢れるように様々な思いが頭を駆け巡る。なぜなら…。
「……緋雪…」
……なぜなら、その守護者は…緋雪だったのだから。
ッギィイイイイン!!
「ぐっ……ぁあっ!?」
だけど、動揺している暇はなかった。
緋雪の姿をした守護者は、容赦なく大剣を作り出して斬りかかってきた。
咄嗟に防いだものの、まるで棒切れのように僕は吹き飛ばされる。
「(魔力の大剣…さすがに、シャルまではないか…)ぐっ……」
霊力による身体強化を間に合わせ、リヒトを地面に突き刺して何とか着地する。
だけど、受け止めた手が痺れていた。
ギィイイン!!
「ぐぅっ…!(以前よりも僕は強くなったはずなのに……力が強い
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