第四十二話 妹達の誤解その一
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第四十二話 妹達の誤解
阿波野君をお家の玄関に入れるとです、阿波野君は玄関からお家の中を見回してそのうえでこんなことを言いました。
「いいお家ですね」
「そうかしら」
「はい、とても」
「別にそうは思わないけれど」
「奇麗ですし整ってますし」
「まあいつもお掃除はしてるけれどね」
毎朝家族で朝早くからしています、私がいない間も。
「lだから清潔なのは確かよ」
「いいことですね」
「そう言ってくれると嬉しいわ」
私にしてもです、こうお話してでした。
私は阿波野君を玄関からさらにお家の中に入れました、そしてそのうえで二人でお茶の間に案内しますが。
ふとです、上の妹が二階から降りてきて阿波野君を見て言ってきました。
「あれっ、その人誰?」
「天高の後輩よ」
「お姉ちゃんの彼氏?」
「何言ってるのよ」
すぐに怒って言い返しました。
「そんな筈ないでしょ」
「えっ、そうなの?」
「そうよ、そんな筈ないじゃない」
「だってお家に連れて来たから」
「それで何で彼氏になるのよ」
「お父さんとお母さんに紹介するとか」
「さっき別れたのよ」
私は上の妹にこのことも言いました。
「この子と会ってね」
「その格好いい人と?」
「いやあ、格好いいなんて照れるな」
私の横で相変わらずの阿波野君でした、能天気な笑顔はお家に入っても変わりません。
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