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ドリトル先生と春の花達
第一幕その四

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「今日はね」
「大体一升ですよね」
「日本酒はね」
「ワインは二本で」
「それが僕の適量だね」
「それはいつも変わらないですね」
 どんな季節でもです。
「それでもう夜に飲まれる様になりましたね」
「イギリスだと朝にも飲んでいたね」
「エールとか」
「そうしていたけれど」
 それがというのです。
「変わったね」
「日本に来られて」
「日本じゃお酒は夜に飲むものだからね」 
 見れば作務衣を着ている先生です、作務衣の上にどてらを着ていてそれが凄く似合っています。
「僕もそうなったよ」
「朝に食欲ないからエールはないですね」
「日本ではね」
「だからですね」
「うん、こうしてね」
「夜に飲むようにしていますね」
「そうだよ」
 日本に来てからというのです。
「そうしているよ」
「そうですね」
「うん、それとね」
 さらに言う先生でした。
「こうして日本酒も知ったしね」
「それが一番大きいですか?」
「そうかも知れないね」 
「それじゃあね」
 二人でお話してです、そのうえで。
 先生は今は楽しく飲みました、そして翌朝起きるとこうトミーに言いました。
「二日酔いにはなっていないけれど」
「それでもですね」
「お風呂に入りたいね」
 そうした気分だというのです。
「今はね」
「じゃあ入れますね」
 トミーは先生にすぐに応えました。
「そうしますね」
「悪いね」
「いえいえ、じゃあすっきりして」
「それから学校に行くよ」 
 そうするというのです。
「これからね」
「わかりました、それじゃあ」
 トミーはすぐにお風呂を入れて先生は入りました、そのうええで動物の皆と一緒に学校に行きましたが。
 ここで、です。動物の皆は研究室に入って論文を書きはじめている先生にこんなことを言いました。
「静かだね」
「今は学生さんも少なくてね」
「春休みでね」
「普段と違うね」
「うん、夏休みも春休みもこうでね」 
 先生も応えて言います。
「今は静かだね」
「うん、何か普段と違ってね」
「違和感あるよね」
「特に高等部や中等部を見ると」
「とりわけそう思えるね」
「人のいない学園程寂しいものはないよ」
 こうも言った先生でした。
「本当にね、ただね」
「先生はやることがあるよね」
「春休みでも」
「そうだよね」
「そうだよ、だからこうして登校してね」
 そのうえでというのです。
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