第二章
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「女癖が悪くて」
「そうなんですか」
「はい、女の子をとっかえひっかえでして」
「遊び人なんですね」
「刃傷沙汰になったって話もあるそうで」
「刃傷沙汰ですか」
「その時代三人位と同時に付き合っていたそうで」
三股だったというのだ。二股どころではなかった。
「その三人がお互い顔を見合わせて言い合いになって」
「それで、なんですか」
「一人が刃物抜いて他の二人に切りつけたんです。その場にフリードリヒはいなかったですけれどね」
しかし彼に関係があるというのは事実だというのだ。
「そうなったんですよ」
「じゃあ彼と付き合っていると」
「そのうち大変なことになるでしょうね」
「そうですか」
「まあ多分彼女は人を見る目がないです」
だからだ。遊び人の男と付き合うというのだ。
「彼は遊び人で女好きで。今も何人もと同時に付き合ってるそうで」
「凄いですね。刃傷沙汰で懲りてないんですね」
「そんな相手ですと」
まただ。問題が起こるというのだ。
「ですからそうした人とは関係が解消してよかったかも知れませんよ」
「だといいですけれどね」
そう言われてもだった。今のシュターゼンは。
気持ちが晴れない。やはり失恋の痛手は大きかった。
だがそれでもだとだ。彼は言うのだった。
「彼女の写真見ます?」
「今持ってるんですか」
「携帯に入れています」
まだ未練があって持っているのだ。その写真を。
「それを御覧になられますか?」
「ええ、よかったら」
シュトックハウゼンもシュターゼンのその言葉に応える。そうしてだった。
シュターゼンに対してだ。こう答えた。
「お願いします。見せて下さい」
「はい、それでは」
その言葉に応えてだ。シュターゼンは自分の服のポケットから自分の携帯を出した。
そのうえで彼女の写真を見せる。それは。
見事なブロンドの髪にサファイアの瞳をした晴れやかな美人だ。まるでモデルの様なスタイルをしている。その携帯の中の彼女の写真を見てだ。
シュトックハウゼンは唸る様にだ。こう言った。
「美人さんですね」
「やっぱりそう思いますか」
「はい、奇麗です」
確かにだ。そうだというのだ。
「これだけの美人さんは。それこそ芸能界位ですね」
「そう思いますね、シュトックハウゼンさんも」
「正直に言います」
少なくともシュトックハウゼンは素直だった。嘘は言わなかった。
「滅多にない美人です」
「そうですか」
「はい、美人です」
こう言うのだった。そしてだ。
シュトックハウゼンはだ。こうも言うのだった。
「確かに顔はいいですね」
「顔はです
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