第四章
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れでこの話は終わるであろう」
下手人である妖怪が死んだ、そのことによってだというのだ。
そしてこう話してからだ。長谷部にも言うのだった。
「ご苦労であったな」
「有り難きお言葉」
長谷部も大岡の労いの言葉に礼で返す。
「それがしもよきことを知りました」
「妖怪のことじゃな」
「人だけがことを起こすのではないのですな」
「そういうことじゃ。この世におるのは人だけではないのだからな」
大岡は長谷部にこの言葉を最後に告げた。まさにその通りでだ。人の世にいるのは人だけでなく何かを起こすのも人だけではなかった。
この話は正式な史科には残っていない。だが大岡越前にまつわる話の中に埋もれているものである。このことを知る者は今は少ない。だが面白い話であるのでここに紹介しておく。
髪切り 完
2012・5・24
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