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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百二十三話 ヘボ詩人頑張るか?
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アイスは、感謝の念を抱いた。

ルッツ自身はテレーゼが忙しい中、キルヒアイスを許すようにと命じられたために動いたのであるが、銃訓練時にあったとき、為人も確認済みであったため、暗殺犯などでは無いと確信したのである。


身元確認、身体検査、所持品検査の進む中、オフレッサーの傷の手当てが行われた。

「オフレッサー、傷は痛むか?」
「かすり傷でございます」

手当を終えていたオフレッサーだが、防刃着により威力の劣った鉛玉はオフレッサーの鍛え上げた筋肉に多少の傷を負わせてはいたが、殆ど害をなしていなかったのであるが、此から降下してくる戦艦なら軍医も居るので、見て貰おうと思いテレーゼが声をかけたのである。



帝国暦483年8月5日 午前10時40分

■オーディン リッテンハイム侯爵荘園

ミッターマイヤーからの命令でテレーゼ皇女をお迎えに上がる役目を受けたドロイゼンは超緊張しながら細心に細心を計りながら、リッテンハイム侯爵荘園の湖に戦艦トレプトウを見事に着水させると、直ぐさま装甲擲弾兵と共に競馬場へと進んだ。

競馬場では、取り調べが終わった者も未だの者も、上空から降下してくる戦艦に驚いていた。

暫くすると、兵員装甲車がSPの先導で馬場に乗り込んで来て、装甲擲弾兵と共に若い中佐が降り、テレーゼの元へSPにより案内されてきた。テレーゼの前で中佐は片膝をつき頭を垂れて挨拶を行う。

「お待たせ致しました。皇女殿下、小官はヨハン・グスタフ・ドロイゼン中佐であります」
「御苦労、ドロイゼン、頼むぞ」
「御意」

皇女の凛とした声にドロイゼンは身が引き締まる思いがした。
「皆、早速、軍事宇宙港まで行く」
テレーゼの言葉に此処に残り事後処理を行うSP達を除く者達が戦艦へと向かい始める。

「ヴェストパーレ男爵夫人、シェーンヴァルト男爵とキルヒアイス男爵をお願いします」
普段のおどけた風を見せない、テレーゼの冷静な口調に男爵夫人は只単に、承諾の言葉を発するだけであった。
「殿下、承知いたしました」

その言葉が終わると、オフレッサーに守られたテレーゼは装甲兵員車に乗り込み戦艦へと向かっていった。リッテンハイム侯、ヘルクスハイマー伯も屈強な装甲擲弾兵に両脇を抱えられながら、戦艦へと連行されていった。その後、テレーゼ達が去った後でも競馬場に居た者達の拘束が解かれる事はなく、事件の全容を知るのは翌日になるのであった。


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