第百二十三話 ヘボ詩人頑張るか?
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の極みでございます。殿下のご意志を受け、この身を粉にしても皇帝陛下をお助け致しますぞ」
直ぐさま救援のために出撃するという中でのランズベルク伯の言葉を、相変わらずだという顔で幹部連中は見ていたが、その後のランズベルク伯に話を聞いて全員が喜んだのである。
「ランズベルク少尉、感動してないで直ぐさま非常招集を・・」
「閣下、直ぐにでも宮殿に向かいませんと」
「少尉、普段と違い、近衛が居るのだ、そう簡単に宮殿まではいけんぞ!」
現実を見ていないのかと、ライムバッハーも苛ついてくる。
「いえ、宮殿へ誰にも知られずに行けるのです」
「なんだと?」
「此は極秘だったのですが、我が家の先祖が、時の皇帝フリードリヒ3世陛下より、宮殿からの抜け道建築を命じられたのです、ノイエ・サンスーシの地下には迷宮が作られています」
「それは、本当なのか?」
「はい、歴代のランズベルク伯爵当主と皇帝陛下しか知らない事でございます」
「しかし、良いのか、その様な大事を我々に知らせて、卿が罰せられるのでないか?」
ランズベルク伯は、ライムバッハーの言葉に少しも動じることなく答える。
「我ら門閥貴族は皇帝陛下より、海よりも深く山よりも高い恩顧を受け今日まで生きて参りました、その御恩を頂いた皇帝陛下の危機に自らの身の安全を図るなど考えられない事でございます」
ランズベルク伯の真剣な目に普段のヘボ詩人の姿は見えず、一介の武人の姿が有ったのである。
「判った、潜入計画を立てるぞ、少尉案内してくれるな」
「無論です、小官の命、閣下にお預け致します」
「うむ」
その言葉により早急に潜入計画が練られ始めた、時間がないので移動中の装甲兵員指揮車からであったが、陛下を御助けするの一念で装甲擲弾兵は皆、テレーゼ殿下のご無事を喜び、皇帝陛下ご無事でと祈るのであったが、此処でも影の薄い皇太子は忘れ去られていた。
帝国暦483年8月5日 午前10時〜
■オーディン リッテンハイム侯爵荘園競馬場
決闘を見に来ていた貴族達が唖然とする中、テレーゼの命令により、テレーゼ側のSPに守られて邸宅へ帰宅する姉クリスティーネ皇女以外、誰1人逃げ出す事が出来ずに、SP達により一カ所に集められ、身元の確認と身体検査、所持品検査が行われていく。
無論、反抗する者、反論する者や顔を隠して身分を判らなくしていた者も居たが、それすら皇女命令の錦の御旗により、黙らせられていく。ラインハルト達も検査の対象になったが、不味い事にキルヒアイスが、ラインハルトの危機の際に使おうと思っていた小型ブラスターを懐に隠して居た事が判明したのである。
「所持品検査をお願い致します」
「判りましたわ、貴方たちも協力しないとダメよ」
男爵夫人も私人としてのテレーゼ
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