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髪切り
第三章
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をしてだ。この夜もだった。 
 長谷部は半次を囮にさせてそのうえで下手人が出て来るのを待った。暫く歩いたが半次の鬘の髪は中々切られない。だが柳のところを通る時に。
 彼は半次から少し離れて物陰に潜んでいた。そこから柳を見ていた。大岡が言った柳を。
 あの時半次の髪は柳を通った時に切られた。それならばだった。
 その柳を見る。何がいるのかと。そして。
 半次がある柳の横を通り過ぎた時にだ。不意に。
 柳の葉のところで何かが動いた。それを見てだった。
 長谷部は手にしている手裏剣、それを咄嗟にその何かに投げた。それでだった。
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