ペルソナ3
1848話
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いやすい相手なのだ。
的が大きいだけに、射られた矢は1本も外れることがなくトランスツインズの身体に命中する。
もっとも、矢が刺さった部分はかなり広範囲で、1ヶ所に集中して……という訳にはいかなかったが。
だが、ゆかりがタルタロスで戦い始めてから、まだ2ヶ月ちょっと。
そう考えれば、この上達は決して遅いという訳ではないだろう。
この先、どれくらいタルタロスで戦い続けるのかは分からないが、それでもゆかりの弓の技術が今以上に上がっていくのは間違いない。
であれば、今はこのくらいの弓の腕でも満足しておくべきだろう。
だが、トランスツインズは身体中を矢で射貫かれながらも、進む速度は変えずに近づいてきて……
「ジオ」
雷の魔法を使う。
一直線に放たれた紫電だったが、その紫電が放たれた時、既にゆかりの前には子猫の炎獣の姿があった。
自分の身を挺して紫電を受け止める炎獣。
だが、そんな炎獣の姿を見ても、ゆかりは特に気にしている様子はない。
知っているのだ。炎獣がジオを1発くらったところで、殆ど無意味だというのを。
そもそもの話、外見は子猫だが、この炎獣はあくまでも俺の白炎から生み出された代物だ。
以前遭遇した死神のようなシャドウであればまだしも、この程度のシャドウが使う魔法でどうにかされる筈がない。
実際、トランスツインズが放ったジオの紫電は、炎獣があっさりと燃やし尽くす。
……雷を燃やすって表現もどうかと思うが、実際に燃やしているのだからその辺はおかしくないだろう。
ましてや、魔法とかは魔力を使っている以上、100%完璧な自然現象って訳じゃないし。
「イオ、突進!」
矢を射った後、右手で召喚器を掴み、自分の頭部に銃口を向けてイオを召喚。
……指示した攻撃がガルとかの魔法じゃなくて、突進って辺り……いやまぁ、実際イオの場合は下手にガルのような攻撃魔法を使うよりは、直接突っ込んでその体格に合った体当たりをする方が、攻撃力が高いのは間違いないのだが。
「うわぁ……凄えな、相変わらず」
俺の隣で戦闘の様子を見ていた荒垣が、しみじみと呟く。
荒垣もペルソナを使って戦闘すればこのくらいの事は出来ていてもおかしくは……ああ、いや。でも純粋に戦闘の経験ともなれば、タルタロスで戦い続けているゆかりの方が上になってしまったのか?
ともあれ、トランスツインズはゆかりの召喚したイオの一撃によって牛の頭蓋骨とタルタロスの壁に挟まれ、それが致命的な一撃となって崩れていく。
「どう?」
「そうだな、イオがジオ系に弱いのをきちんと把握して、それを理解した上で先制攻撃、向こうがジオを使ってきた時も、焦ってペルソナを召喚するんじゃなくて炎獣に防御を任せたのはいい判断だった」
「ふふ
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