ペルソナ3
1847話
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という一面の方が大きい。
1発の拳も俺には命中せず、全てを限界の見切りで回避される。
それが、精神的な疲れを真田に与えたのだろう。
真田がたった3分でこのように疲れ切っているのは、それが理由だった。
もっとも、真田の表情に絶望とか諦めとか、そういうのはない。
真田は俺との間にある力の差が、本当ならどれくらいのものなのか、それを知っているからだ。
今日のようにボクシングルールではなく、以前の模擬戦で実際の俺の力を感じているのだから。
……まぁ、それでもかなり手加減に手加減を重ねた結果だったのだが。
「あー、畜生。やっぱりアルマーには届かなかったか。今日は結構自信があったんだけどな」
「そうだな、この前に比べると少し動きが良くなっていたのは事実だ」
「そうか!?」
俺の褒め言葉が嬉しかったのか、真田は目を輝かせる。
そんな真田に対し、俺は頷きを返す。
「ああ、少しではあるけど、間違いなく動きはよくなっている。短時間だが、訓練の結果は出ているという事だろうな」
「そうか……やはり、プロテインは最高だな」
「いや、何でそうなる」
真田の口から出てきたまさかの言葉に、俺は呆れたように呟く。
トレーニングを褒めたにも関わらず、何故か真田の口から出てきたのはプロテイン最高という言葉。
「うん? 何と言っても、プロテインは身体を作るのに最適の食べ物だからな」
「食べ物? ……食べ物、か?」
俺の知っているプロテインというのは、きな粉のような感じの粉状の代物だ。
それを牛乳とかに溶かして飲むのが、一般的なプロテインの摂取方法だろう。
勿論今は溶かさなくても最初から飲み物になっているプロテインとか、そういうのもあるらしいが。
ともあれ、プロテインは分類的……栄養補助即品? サプリメントとか、そっち系じゃないか?
まぁ、その辺りを迂闊に突っ込んで、プロテイン談義とかをするのはごめんなので、受け流すが。
「これまで通りのトレーニングを重ねて、色々な戦いを経験する。それだけで、真田はまだ十分強くなれる筈だ」
「ああ、分かった」
色々な戦いという言葉に含まれているのは、ボクシングとしての試合だけではなく、影時間に行われるシャドウとの戦いも含まれていると、そう理解しているのだろう。
まぁ、実際真田には戦いのセンスと呼ぶべきものがあるのは間違いない。
前向きで、戦いにおいて積極的に攻撃に出る事が出来るというのも、褒められる。
ただ……楽観的というか、前向き的というか、もう少し慎重さとかはあってもいいと思うんだが。
「さて、じゃあ真田の用件も済んだんだろうし、俺も……ん?」
そろそろ帰る。
そう言おうとしたのだが、リングの前には大勢のボクシング
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