第一章
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いうのだ。
「下手人を見事捕らえてみよ。よいな」
「はい、それでは」
長谷部も応える。こうしてだった。
長谷部はこの髪切りのことを一任された。早速だった。
彼は夜の江戸の街に出た。しかしそれは一人ではなかった。
岡引の半次、彼を連れていた。その彼にだ。
女ものの服を着せて女の鬘を被せた。そうして若い娘の身なりにさせたのだ。
その彼に対してだ。長谷部はこう言った。
「その格好で江戸を歩けばじゃ」
「下手人が出て来るっていうんですね」
「そうじゃ。下手人が狙うのは女じゃ」
もっと言えば女の髪である。
「だからじゃ。わしも考えたのじゃ」
「そうでやんすか」
「うむ。しかし半次、その言葉は止めろ」
長谷部は半次の言葉遣いを注意した。
「御主は今は女なのじゃぞ」
「じゃあ女の言葉で」
「そうじゃ。女になりきれ」
こう言うのだった。
「よいな。そうせよ」
「わかりました。お侍様」
一応だ。半次は長谷部の言葉を聞いて女の言葉遣いをしてきた。しなも作る。
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