ペルソナ3
1846話
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だが、男はそんな真田に意見するように口を開く。
「こんな男が真田先輩に勝つ? それは、随分と出来の悪い冗談ですね」
「……そうか?」
男の言葉が余程意外だったのだろう。
真田は一瞬前の不満そうな表情を驚きに変える。
俺に負けるというのは、真田にとって不思議でも何でもなかったのだろう。
実際に戦ったからこそ、真田は俺との間にある絶対的な力の差というものを理解している。
「そうですよ! ……おい、お前。アルマーとか言ったな。岳羽さんとちょっと噂になってるからって、いい気になってるんじゃねえぞ!」
「あー……」
うん、何でこの男がこうまで俺に対して敵対的なのか、この一言で全てが分かってしまった。
まぁ、ゆかりの事が好きな奴にしてみれば、そのゆかりと噂になっている俺の存在は気にくわないだろう。
「真田先輩と戦う前に、俺と戦え!」
「……何でそうなる?」
「はっ、逃げるのかよ。やっぱり真田先輩に対しても卑怯な真似をしたんだな! だから、こうして皆の前で戦えと言われれば逃げる訳だ」
「おい、大渡、止めないか!」
慌てて真田が俺に絡んできた男……大渡とかいう男を止めようとする。
まぁ、分からないでもない。
真田は純粋に俺と模擬戦……ボクシング風に言うのならスパーリングをしたかったのに、何故か自分の後輩が思いきり俺に絡んできたのだから。
……さて、どうするべきか。
別にここでこの大渡とかいう男と戦わなくても構わないと思うが、ここで戦わないと俺がゆかりと桐条との間に噂になっているということもあり、同じように絡んでくる奴がこれからも出てくるだろう。
だとすれば、後々の面倒を減らす為にも……
「そうだな、いいぞ。少しだけ遊んでやる」
そう、告げるのだった。
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