第百二十二話 フレイヤ大返し
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も顔と名前が一致していなかったのである。
「その中佐が、何用だ?私は此でも忙しいのだが」
「閣下、エッシェンバッハ元帥が、オーディンのお戻りならば、時間をお掛けになった方が宜しいかと存じます」
中佐の言葉に何をいうのだという感覚が沸き起こる。
「時間などかけれ等無い事は、卿も承知であろう!」
さっさと此の苛つく相手から去ろうとするが、更に喋り賭けてくる。
「エッシェンバッハ元帥が、このままお帰り成っても、クーデターは既に鎮圧されていましょう」
「結構な事ではないか」
「エッシェンバッハ元帥にとっては、甚だ不本意な事に成るやも知れません、更にエッシェンバッハ元帥府所属の閣下にとっても」
いい加減にせよと、言いたいが、何やら不気味な存在が空恐ろしくなってきた。
「いい加減にせよ」
「鎮圧の功績はメルカッツ提督に帰します」
元帥閣下のライバルであるメルカッツを引き合いに出すとは、痛いところを突いてくる奴だ。
「それでも良いではないか」
「本当にそうでしょうか。このままで行けば、エッシェンバッハ元帥の地位を脅かすやも。間に合わなかった宇宙艦隊司令長官と鎮圧を指導したメルカッツ提督を比べて、メルカッツ提督を宇宙艦隊司令長官にとの声が上がるやも知れません。そうすれば、閣下の進退にも影響が生じるはずです」
「その様な些細な事、私は気にせん」
些か動揺しているが、気にせずに反論したのであるが。
「此処は、先にリッテンハイム、ヘルクスハイマー両家の所領を制圧すべきかと、そうすれば、元帥閣下の功績も又揺るぎなき事になります」
「卿も聞いたであろう、元帥閣下は即刻オーディンへ帰還だ、もう良いな」
司令官は、強い口調で中佐を下がらせた後、何やら胸にトゲが刺さったようないやな感じがしたため、さっさと忘れようとしたのであった。この件は結局表沙汰には成らずに、その後何の咎めも無かったのは、その後のゴタゴタで、司令官自体が忘れ去ってしまった事が原因であろう。
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オーベルシュタイン、強引過ぎたかな。
オーベルシュタインのシーンを宇宙艦隊本隊から、レンテンベルク要塞先遣隊に変更しました。
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