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レーヴァティン
第二十三話 堺の街その十一

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「安心するのだ」
「馬も驢馬もですか」
「買う、後だ」
「貴殿もですな」
「この服だとな」
 西の島の服装だ、ズボンに靴それにシャツといったものだ。
「目立ち過ぎる」
「目立つとですな」
「困った時もある、だからだ」 
「着替えますか」
「俺の服も買う」
「西の島の服をですな」
「買っておく」
 そうするというのだ。
「目立って悪い時も多しな」
「ではそうした店にもですな」
「行くとしよう」 
 こう話してだ、英雄は正の分の馬と驢馬にだった。英雄の服それに脚絆も買った。その時にだ。
 正は英雄が買った脚絆についてこう言った。
「術が備わったかなりいいものを買われましたな」
「履くものはいい方がいい」
 だからだというのだ。
「この脚絆にした」
「長持ちする」
「それを買って履いた」
「そして服も」
「そうした」
「左様でござるか」
「これから長く着て履くからな」
 それだからこそというのだ。
「質のいいものと思ってな」
「その通りでござるな」
「銀もあったしだ」
 この問題もなかったからだというのだ。
「これでいいとした」
「成程、いいことでござるな」
「そう思うな」
「全くでござる、では」
「まずは都だな」
「地図も買ったでござるからな」
 これも買ったからだというのだ。
「都までは万全でござるな」
「旅自体はな」
「そう、旅自体は」
「魔物だ」
 英雄が問題としているのは彼等だった。
「何といってもな」
「それが第一の問題でござるな」
「気候も気になるが」
「魔物がどうか」
「それが問題だな」
「東の島の魔物も強いでござるよ」
 正は英雄にこのことも話した。
「特に赤子の泣き声を出す」
「人食いの獣か」
「それが厄介でござる」
「馬腹か」
 具体的な魔物の名前をだ、英雄は出した。
「人面虎身のだな」
「知っているでござるか」
「デルフォイで読んだ」
 書で知ったというのだ。
「魔物についても調べてな」
「それで知ったでござるか」
「そうだった、山に出て来るな」
「東の島は西より遥かに山が多いでござるからな」
「つまり多くの場所にいるか」
「そうでえござる、そして川にはでござる」
「河童はまだましか」
「河童は大人しいでござる」
 川の魔物の彼等はというのだ。
「縄張りに入らない限り襲って来ないでござる」
「そうなのか」
「だから安心していいでござるが」
「しかしだな」
「濡れ女という妖怪もいるでござるが」
「知っている」
 英雄は正が望んでいた答えをここで出した、正もそれを聞いて無言で頷いた。英雄はその彼の動きを見てさらに言った。
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