幻想御掌4ー動き出す事実ー
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美琴に電話した俺は何となくだが今の美琴を一人にさせては行けないと思い、隣にいた黒子を行かせた。
「何かあったのか?」
「まぁ、こっちの話です。」
今、俺と木山先生は場所を変えて会議室のような所でお互い向き合って座っている形だった。
「そうか。では話を続けよう、何故同程度の露出でも水着は良くて下着は駄目なのかについてだが……」
「……いや、違いますから。」
──この人、前から思ったけど大丈夫か…?
昔から木山先生は少し人とズレている。
いや、少しどころではないとは思うが俺は少し呆れつつも標準を装う。
「幻想御掌についてです。」
「あぁ、その件についてだが本当に脳が関係してるのかい?」
「まだ確実な証拠はありませんが、俺の仮説上では関係してます。」
俺はその流れのまま、俺の仮説を話した。
幻想御掌は何か脳へ直接刺激する物だと仮定するなら五感からの可能性が高い。
そして、その中でも有り得るとすれば聴覚と視覚。
味覚と触感に関しては薬物や実際に存在するものでなければ不可能。
だが、現在の情報では幻想御掌は存在する物なのかも不明でどんな物なのか実態すら分からない。
となると触感や味覚は候補から消える。
後は必然的に残るものが、その2つだと言うこと。
そして聴覚なら音楽なども可能であり共感覚性を使えば筋道が通るという仮説だ。
何より風紀委員の調べで音楽だという証拠は手に入れているのも事実。
「ふむ…確かに一理ある、だが実際にその現物を見ない限り何とも言えないな。」
「分かりました、今日はあくまで可能性があるのかというお話だったので。」
そうして俺は席を立ち、一礼してから外に出る扉に手をかける。
だが、俺が扉を開くほんの少し前に木山先生の口が開かれ声を発した。
「あの人が動き出している、君の周りにいた彼女達も無事では済まないかもしれない。」
「…そんな事は分かってます、だからこそ俺は今ここにいるんですよ。」
「まさか、君はあれを使う気なのかい…?」
木山先生は俺の考えを察したのか、先程までの余裕の表情が一変し少し焦りを見せる。
「……もしもの時は、です。」
俺は木山先生の次の言葉を聞く前に外に出た。
目の前の椅子にはカエル先生……もとい、冥土還しと呼ばれている先生が座って部屋から出てきた俺を見ていた。
手には小さな箱が握られ、少し迷っていると言わんばかりの表情で見てくる。
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