第50話 穂乃果と大地、交わされた約束
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を染めて考える素振りを見せた後、
「うん!大好き!」
「それは今でもか?」
「もちろん!だから絶対会えるって穂乃果はそう思ってる!」
「……そ、ならいいんじゃないのか?」
自分の事だけど、きっと穂乃果にとっては俺は、俺だけど俺じゃないのだ。身近にして一番遠いところに俺はいる。穂乃果はそれに自覚が無くても、そう見えている。
「さーてと。穂乃果のせいで予定が崩れちゃってるし、今日は家帰って勉強しなきゃなー」
ねぇそれって穂乃果が悪いみたいに聞こえるんだけど!」
「あぁそう言った。穂乃果が引っ張りまわさなきゃ勉強できたんだよ」
「勉強なんていつでもできるでしょー!」
なんていつも通りのやり取りをする中、ふと、視界の隅に入る女子高生が1人。その女子高生はすぐそばにある業務用スーパーへと足を入れていた。
まさか未遥───なんて思ってしまったけど、そもそも未遥はあんな黒髪じゃないし、長い髪を両サイドでまとめて、まるでツインテールのごとくよろしくするような子じゃない。
そんでもって、音ノ木坂の制服を着ているわけがない。
「(……まさか?)」
そんなわけないと思い、かぶりを振って上機嫌の穂乃果の背中を追いかける。
ここに来て、ようやくスタート地点に立った気がした。
───それから数日が経過した。
一向に記憶についての情報が得られないまま、ブロック予選の結果発表の日が訪れた。
各々緊張の面持ちで一つの画面を除く光景。
誰かが一言二言言葉を発し、静寂、呟いて、静寂。
中々会話が弾まない中、せわしなくクリック音と時計の針だけが動いていた。一人は耳を塞いで部室の隅で震え、一人は冷静さを保とうとイチゴ牛乳の紙パックを飲み、一人はカチカチマウス操作を行って何度もページ更新をしていた。
そもそもの話。
一次予選を通過できるグループは4チーム。A-RISEはほぼ確定として残るは3チームのみ。一心不乱一致団結に戦い、この日を待ちわびた。
更新、更新、更新、更新、更新更新更新更新更新…………
何度更新していたことだろうか。
立ち上がるサイトを見て、ため息をついて、更新して────────
───その時、その瞬間はやって来た。
誰かの息を呑む声を合図に一同は画面に群がる。何度も繰り返された、クリック音が更に素早くなる。
画面をスクロールし、彼女たちの目に留まった。
───【ラブライブ!東京都ブロック一次予選結果報告】
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