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μ's+αの叶える物語〜どんなときもずっと〜
第50話 穂乃果と大地、交わされた約束
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穂乃果の財布は豊かで問題でないにしろ、俺のほうは悲鳴すら上げられないくらい怯えているのだ。

 ほら、恐怖のあまりどこに隠れたのかわからないくらいに。
ここで消費する額は一か月のお小遣い相当額。貯金も多少はしているため、資金としてはあるもののここでの出費は深手を負う。


「帰ろう穂乃果。俺たちには荷が重すぎた」
「うぇー!!やだ-!おさかな見ようよー!」
「子供か君は!!」
「まだJK!!子供ですぅ!!」
「ガキか」
「ヒドイ!大くんだってガキじゃん!」
「あのぉ……」


 口喧嘩っぽくなりそうな俺たちを見かねた受付のお姉さん。
おずおずと見せてくれたのは料金プランの裏面。そこには表面と同じくプランが書かれているものの『シニアプラン』、『団体プラン』などとお決まりの別プランが示されていた。

そして、お姉さんが指で示しているプランの名前が




───カップルプラン







……この先に展開に手汗がにじみ出る。非常に……心底嫌な予感しかしなかった。
ちらりと、視線だけ穂乃果に向ける。




「えっ、あ、その……」
「やめて穂乃果。なんか勝手に頬染めたりしないで。反応に困るから」
「だ、だってぇ〜。お姉さんにはそういう風に見られていたってことでしょ?えへへ……ちょっと、恥ずかしいかな」
「やめて穂乃果。なんとなく……ほんとうになんとなくだけど海未が殺意ある目で睨んでるような錯覚に陥ったから全力でやめて」

 まさか、俺と穂乃果の後を追ってきたんじゃないだろうか。
意識したくないのに、どこかで俺らを監視しているのではないかと、辺りを不審者の如くキョロキョロ見渡す。が、特に違和感といったものはなく、普通に俺の勘違いだった。


「ま、まぁそれしか方法ないんだから諦めて帰ろ───」
「じゃあカップル割でお願いします!!」
「おいこら!言ってる傍から何してんだ!」
「何って、カップル割使って水族館入るんだよ!」
「いやそれは理解した。だけどなんでカップル割なんだよ!だいたい俺たちは付きあ───」




メリィッ、と。
右足親指に激痛が走った時には既に穂乃果のかかとがめり込んでいた。


「う、ごぉ……」
「じゃあカップル割お願いしまーす」
「は、はいかしこまりました」







俺を気にしながらも、受付のお姉さんは言われるがままにしていた。






〜☆〜











 時が経つのも早いというモノで。
茜色に染まる夕陽を背景に、二つの影が歩いていた。俺と、穂乃果の影が大きなったり、小さくなったりとサイズを変えて、さり気無く手なんて繋ぎながら帰路に着いていた。

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