宿屋での選択肢
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っいえっ! そんな事があったのなら仕方ないですって」
「そう言っていただけると彼も救われることでしょう」
最初から最後まで素敵な笑顔を崩さずに語る紫龍。彼のその姿に違和感と恐怖を感じるたのはシレーナただ一人だった。
「犯人は?」
ルシアの腕にしがみついていたランファが震えた声で聴いた。どうやら彼女はこの手の話が苦手なようだ。まあ特異な人物などもいないだろうけど。
「いえ。実はまだ捕まっていないのです」
「えぇーー!? 雪白の騎士はなにやってんのー!?」
「イタイッイタイ!」
「あ…ごめんっ」
犯人が捕まっていないと聞いてつい手に力が入ってしまいルシアの腕をメキメキと折れるのでないかというくらいにギュッと握りる。
すぐにルシアが痛いと言ったので幸いにも折れるまでには至らなかった。青あざでランファの手形がついてしまったが。
「そうですね…。なのでルシア様にもしもの事があっては大変なのでボディーガードを付ける事になったというわけです」
「な、なるほど……」
都会はやっぱり物騒なんだな……と思いつつみんなと離れたところに座っているムラクモに視線を移す。外はもう夕暮れ時、ムラクモの頬が茜色に染まるその姿はまるで一流の絵画を見ているかのようにとても美しい。
「そろそろ宿に着くみたいですね」
「おぉ〜やどやど〜」
ランファが変な即興ソングを歌っている間に。ドルファフィーリングが経営しているという、ルシア達の本日のお宿へ到着。
「「おぉーーーーー!!」」
ある程度は豪華絢爛な造り何だろうな……と、想像はしていたが、まさかこう来るとは思っていなかった。目の前に立つ建物は宿屋というよりもはや城と言ってもいいものだった。
「あたし知ってる。こうゆう大人な感じの宿ってラブホ……」
「それっ大人違いっ!」
「むぐぐっ」
まったくどこでそんな知識を仕入れて来たのか……。変な事を言いだしそうになるランファの口を慌てて手で押さえ黙らせる。ランファはまだなにか言いたそうに、むぐむぐぐと何かを言っているがここは心を鬼にして塞いだまましておく。
「それでは、私はこの辺で失礼いたします。ムラクモさん。後は頼みましたよ」
「はっはい……」
紫龍が去る時。恥ずかしそうに返事をするムラクモと紫龍がすれ違いざまに、小声で「お任せください。王子」と言っていたのは気のせいだろうか。森で育ち、獣を狩って生活していたルシアは他の人に比べて耳が良い。だから普通の人には聞こえない音が聞こえることがある。……でも今回は空耳だった?
「なにやってんのー? 早く早くー」
二人の会話の事が気になるルシアだが先へどんどん行くランファを追いかけ宿屋の中へと入って行くことにした。
外が豪華絢爛なら当然部屋
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