第三章
第三章 大都市で起きた不可解な事件
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――ニ三日で復活したが。
貴族様御用達の中央列車の旅から数日。今日は国境を越えて海の国に到着する日。
次の日にある遠足が楽しみでなかなか寝付けない子供と同じランファは昨日の朝から一回の休憩も、一睡もせす窓のガラスの外を見つめ"それ"が見えるその時をスタンバっている。
大丈夫かな…と心配しつつも、何を言っても聞かないランファのことだし温かく見守るしかないかな、と若くも親目線になっているルシアはシレーナが入れた紅茶を飲みながら温かく見守っている。
――その時はいつの時も突然やってくるものだ。
「海だぁぁぁぁあああ!!」
窓を開けて身を外へ乗り出して叫ぶランファの身体を落ちないように引っ張りつつ、一緒になって外を景色を見てみる。
「……国境越えた」
「あれが……海」
青い透き通るように綺麗な水面。太陽の光が反射してよけいどもそう見える。ずっと森の奥地にある村で暮らしていたルシアにとっては初めての海だ。
「これが……"ホンモノ”の海なんだ……」
ランファが零したこの言葉、どうゆう意味なのだろうと気にはなったが聞けなかった。なんだか聞いてはいけないような気がしたのだ。
この言葉を言った時のランファの表情がとても悲しそうで辛そうだったから。
――しばらくの間。みんなで初めて見る海に、久しぶりに見た海、感動に見とれていることにした。
[皆様、長旅ご苦労様でした。間もなく海の国首都、大都市ゼルウィンズに到着致します]
目的地到着したことを告げるアナウンスが列車に流れた。聞いてすぐにハイテンションで大はしゃぎのランファは荷物も持たずに部屋を飛び出して行ってしまった。やれやれと深く息を吐くとルシアは自分のとランファが置き忘れて行った荷物を持って
「行こうか。シレーナ」
「……うん」
シレーナとゆっくり列の順番を守って列車を降りてすぐ
「お待ちしておりました。ルシア様。そしてお連れの方々」
肩に着くぐらいまでに延ばした綺麗な金髪の髪に蒼いサファイアのような綺麗瞳に白いスーツを華麗に着こなした美しい青年がルシア達に向かって丁寧な言葉遣いで出迎え深々とお辞儀をする。その動作は白馬がいればどこかの国の王子様だと紹介されてもおかしくないはない優雅さと気品を感じさせる。
「えっと……あの……」
青年の放つ王族の雰囲気に圧倒されつつも聞いて見る。あなたは誰ですか? と。最初は人違いだと思ったが、彼はルシアの名前を呼んだ。それはありえない。ならばなんの用で?
ランファはルシアの背に隠れてまるで不審者を見るような目で青年を見つめている。失礼でしょっと怒ろうかとも思ったが。相手が良く分からない相手の場合それは仕方のないことだろう。
「申し遅れました。私めはドルファフィーリングの
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