『拭い去る』
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誠が泣き止んで、そのまま零の胸の中で寝堕ちた。崩れた全体重を支えきれんくなって、後退りしてしまった瞬間に、すかさず組長が手助けしてくれた。
すぐ其処の大きな部屋のソファに誠を寝かせた。泪の筋が残ってて、申し訳ない気持ちになった。
其の泪の筋に優しく触れる。
温かい頬、温かい心、熱い想い...今回のことも昔のことも、誠には、ものすごく重たい十字架を背負わせてしまった。
だからどうにか、誠には幸せな未来がくることを、心底強く願うしかなかった。
寝息をたて、ぐっすり眠れている姿を見て、安心したような...逆のような...どっちとも言い難い気持ちになった。
零とのこと、何もかも無かったことになればいいのに。
零とのこと、何もかも覚えてなかったらええのに。
そんな零の心を見透かすように組長が言う。
『誰かの幸せな日々を願うことは良いことやけどな、零...いつまでも己を責め続けるのは良くない。お前が悪いことをしたわけじゃない。勘違いしたらあかん、今も昔もそうや。乗り越えて強くなれ、零!悪いんはお前と違う。乗り越えれんなら、泪と共に苦しみも全部拭い去れ』
言いたいこと在るのに言葉が出ん。簡単じゃない。組長も解ってる。強く、強くなりたい。
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