人として生きていく 〜過去のあたし〜
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るスバルほど鈍感でもないし、ショウさんは異性なんだから。それに思いっきり尻餅を着くところ見られたわけで……それがなくても荒れてた時に1番絡んでた相手なんだから色んな感情が沸き上がるし。
「何か騒がしいっすけど何かあったんすか〜?」
背後から聞こえた声に振り返ってみると、髪の毛を拭いているウェンディの姿があった。半袖に短パンをラフな姿だが、下着姿ではないのでまあ良しとしよう。
「ウェ、ウェンディ……お前居たのかよ?」
「そりゃ居るっすよ、ここは自分の家なんすから。まあ帰ってきたのはさっきすけど。ノーヴェは寝てたみたいっすから気づいてなくても無理ないっす」
「そうか……ってまだ髪の毛乾いてねぇじゃねか。ちゃんと拭けよ、風邪でも引いたらどうすんだ」
「これくらいで風邪なんて引かないっすよ。まったく日に日に面倒見が良くなるというか、世話を焼くのが板に付いて行ってるすね。ノーヴェはあたしもママなんすか?」
「んなわけねぇだろ。大体てめぇみたいな娘ほしくねぇよ」
「それは少し言い過ぎじゃないっすか? 付き合いの長いあたしでも傷つくことはあるんすよ。まあ何とも思ってないっすけど……そんなことより」
ウェンディはするりとあたしの脇を抜けるように移動すると、ショウさんの目の前で止まる。そして満面の笑みを浮かべるといつもより高めなテンションで口を開いた。
「ショウさん、いらっしゃいっす!」
「ようウェンディ、相変わらず元気だな」
「場を賑やかにするのがあたしの役割っすからね。今日はどんな用件っすか? 今あたしとノーヴェしかいないっすよ」
年上にはもっと敬語とか使って話せねぇのか。
ナカジマ家に引き取られてから3年ほど経つこともあり、社会常識なども勉強した。故に誰とでも変わらない態度で話すウェンディを見ているとそう思ってしまう自分が居る。
「あぁ、今日はこれを渡しに来たんだ」
「何すかこれ? まあショウさんのことっすから手作りのお菓子とかだとは思うっすけど」
「ご名答。ここの家族にはヴィヴィオが世話になってるからな。そのお礼だ。みんなで食べてくれ」
確かにあたし達はヴィヴィオと関わることが多いけど……この人って今もヴィヴィオに父親扱いされると否定してたよな。
にも関わらずこういうことするって……そんなんだからずっと父親扱いされるんだろって地味に言いてぇ。まあ正直なところヴィヴィオに父親扱いされるのは満更でもねぇんだろうけど。
「それはどうもありがとうございますっす!」
「別に礼はいいさ。……じゃあな」
「えーもう帰っちゃうんすか?」
「残る理由もないだろ?」
「いやいや、それならあるっすよ。あたしらと少しお話しましょうっす!」
は? ……こいつ何言ってんの?
「頻繁に顔を
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