人として生きていく 〜過去のあたし〜
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
クターや姉妹達から説教されるだろうから面倒だ。
『ちっ……次言ったら容赦しねぇからな』
『了解っす。出来るだけ言わないようにするっすよ』
『出来るだけじゃなくて絶対に言うんじゃねぇ!』
『この世に絶対なんてことないっすからそんな約束はちょっとできないっすね。そもそも……ノーヴェは黒衣の魔導剣士のこと気にし過ぎな気がするんすけどね。ちょっと執着し過ぎじゃないっすか?』
別に執着なんかしてねぇ!
あたしは……あたしはただこいつのことが気に入らないだけだ。デバイスを人間として扱うこの偽善者が。
より人間らしいデバイスの作成。それはインテリジェントデバイスの研究の一環だと言える。別にこれだけならどうとも思わない。
だけどこの男は……デバイスを人間として扱い、時として独自の行動を許している。魔法を補助するためのデバイスではなく、ひとりの人間と同じように。
人型フレームを使っていようとデバイスはデバイスだ。デバイスは魔導師の補助をするために道具であり力。あたしを始めとした戦闘機人と同じように戦うために生み出された存在なんだ。人間として扱うのは間違ってる。
『そんな苛立った顔してると可愛い顔が台無しっすよ』
『茶化してんじゃねぇぞ。本気でぶっ飛ばされてぇのか』
『別に茶化してはないっす。だからそんなに怒らないでほしいっすよ。もしくはあたしじゃなくて黒衣の魔導剣士に向けてほしいっすね。まあこっちの動き方次第じゃ顔を合わせるかどうかは分からないっすけど』
『ふん……てめぇに言われなくても会ったらボコボコにしてやるよ。こいつだけは……見てるだけでイラつくからな』
★
「………………夢か」
重たさの残るまぶたをどうにか下りないようにしつつ、眠気を振り払うかのように目元を擦る。時間を見る限り眠っていた時間は30分ほどだが、机に突っ伏す形で眠っていたせいか身体が強張っている。
「ふぁぁ〜……地味に疲れが残ってんな」
肩甲骨を回したりして身体をほぐすが、身体全体に感じる微妙な倦怠感は消えてくれない。
まあ……ここ数日結構ハードだったからなぁ。ディア姉のところのバイトにヴィヴィオ達の指導というか面倒見たり、資格を取るための勉強とか色々やってたし。
あたしよりもスバルとかの方がハードな仕事してるんだろうけど、スバルはいつも元気だよな。性格の違いなのか、それとも鍛え方が違うのか……まあどちらかといえば後者だよな。
あの人……不屈のエースオブエースとして認知されてる有名教導官に鍛えてもらった時期があるんだし、年に何度か合同でトレーニングもしてるんだから。
あたしもたまに救助を手伝ったりすることあるけど、さすがに差は出ちまうよな。ま、別に出たところで気にすることでもねぇんだけど。よほどのことがない
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ