第二章
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「お掃除はするものです」
「大掃除ね」
「左様、一日一度は」
「あの、けれど」
「そこもう朝ジャベルさんが拭きましたよ」
今度はシブヤとナリタが御成に話した。
「それで床もです」
「もう拭きました」
「何っ、そうなのか」
「はい、もう起きてすぐに」
「そうされましたよ」
「他のところもお掃除されて」
「それから外の修行に行かれました」
「ううむ、しかし」
掃除はされている、だがそれでもと言う御成だった。
「掃除は二度三度としていいもの」
「だからですか」
「また掃除をされますか」
「そうするとしよう、拙僧は」
もう今日は掃除されたと聞いても気落ちすることなく続ける御成だった。彼はあくまで前向きだった。
「今は、しかし座禅も読経も写経もして」
「はい、それで行脚もですね」
「そっちもですね」
「しようぞ、拙僧も負けておられぬ」
ジャベルにというのだ。
「励みに励んで己を磨き人々を助けねば」
「その考えいいわね、平和になったしね」
御成の話を聞き終えてだ、アカリは納得して頷いた。
「だったら人達の役に立てる様にならないとね」
「左様ですな」
「私も頑張らないとね、まあ仙人みたいに住職になっても」
彼についてはアカリもやれやれという顔だった、そのうえでの言葉である。
「何もしないで寝てるか漫画読んでるかゲームしてばかりはよくないわね」
「あの人らしいけれどね」
「それもね」
シブヤもナリタもこう言う。
「一切働かないでね」
「もう怠け放題だから」
「そもそも仙人って仏教じゃないし」
「住職の資格持ってるのかな」
「ないでしょ」
アカリは二人にはっきりと言い切った。
「だって元々違う世界の人だし」
「ああ、そういえばそうだった」
「あの人あっちの世界の人だったね」
「じゃあやっぱり住職の資格持っていないんだ」
「お坊さんの資格は」
「だから実際はね」
自分で住職と言ったが、というのだ。
「自称でしょ」
「それかなりまずいことだよ」
「うん、どう考えてもね」
「自称住職ってね」
「資格ないのに」
「だから実際は御成がこのままよ」
住職代理だった彼がこれまで通りだというのだ。
「住職さんのお仕事をやっていくのよ」
「ううむ、そうですか」
「ええ、あとね」
アカリは御成にも話してさらに言っていった。
「あの人が動いたら大抵大変なことになるから」
「そうだよね、あの人ってそういう人だよね」
シブヤも仙人のその話になると大いに頷いた、そうしたことは彼等もよく知っていることだからだ。
「本当にいつもやらかすからね」
「そのやらかしが酷いからね」
ナリタもそこは同意だった、やはり彼のこれまでの行動についてはよく知っているからで
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