一人の世界
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旧友に裏切れらたわたしはクラスから孤立しました。
休み時間も一人で読書を楽しむか一人自分の世界に沈むかの二択。
移動教室の時は一人俯きとぼとぼと歩ます。いわゆるぼっちです。
―ですが悲しい事ばかりでもありませんでした。
ぼっちになったことでわたしは特殊なスキルを身につけることが出来たから_それは
ぼっちはぼっちを探すのが上手くなる。です。
同じぼっちどうしなにか感じ合う波長というものがあるのかもしれません。新しい中学校生活が始まってまだ一ヶ月が経とうとするある日。見つけまして魂の友(ソウルメイト)となりそうな女の子を。
眼鏡をかけて黒髪三つ編みおさげの本を持った姿がとても画になる文学少女
<白うさぎ>
小学校は違ったからはじめまして。
彼女もわたしと同じくクラスに友達がまだいないみたい。他のクラスには小学校の頃からの友達がたくさんいるみたいだけど、人見知りする派で口下手なところにはなんだか同じ匂いを感じます。
勇気を振り絞って話しかけてみても
「……ぁうん」
口下手同士会話は全く弾みません。とゆうより言葉のキャッチボールってなんでしたっけ? と聞きたくなるほどのぎこちのない会話。それでもあきらめず何度も何度も彼女にアタックし続けました。
移動教室の時、グループ分けの時、休み時間の時、隙さえあればとにかくアタックあるのみっ。
最初はぎこちのなかった会話。すぐに終わってしまった言葉のキャッチボールも少しづつ続いていくようになって
……やっと撒いた種から芽が出ようとしたある日
とある授業で四人でひとつのグループを作らないといけないことがありました。
わたしは当然、白うさぎに話しかけま…
「白うさぎちゃん、こっちおいでよ」
「え…でも」
「いいからっ」
申し訳なさそうな顔をする白うさぎをわたしの目の前で堂々と奪い去って行った犯人は
<じゅっちゃん>
わたしの旧友。かつての親友だった女の子。
そこそこお金を持った両親の元に生まれた物に恵まれた女の子。
持っているものはみんな可愛くて誰からもちやほやされているのに、それでも足りない欲しがりさん。
わたしから全てを奪い取ってしまう悪魔の子。
じゅっちゃんが作ったグループは彼女を入れて三人。四人グループだと一人足りない。二人グループだと自分がはぶられるじゃあ…そうだ、わたしが仲良くしている大人しい白うさぎがいるじゃんっ。
――目を付けられ狙われた白うさぎは小悪魔に狩られてしまいました。かわいそうに。
少しだけ見えた希望の光は闇に覆い隠されました。闇へと消え去りました。
わたしはまた一人の世界に沈むことにしました。
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