第百二十一話 ラインハルトは何を思うか
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男爵夫人はあの娘の正体を知っていた。それに男爵夫人の母親の学校にあの娘は通っていたはずだ、そうなると、男爵夫人は姉上と親しい振りをしているだけではないのか?あの娘と繋がって姉上を監視しているのでは無いのか?沸々と疑惑が沸き上がる。此から男爵夫人との付き合いを気を付けねば成らない、下手に簒奪の意志でも示したら、皇帝に筒抜けになるかも知れない。
「貴方たちの事は、殿下にお頼みして、何の罪もないようにしますわ」
空元気なのか、蒼い顔の男爵夫人が俺達が無言なのを心配してか、話してくれるが、一度出た疑惑は消す事が出来ない。キルヒアイスも同じ考えなのだろうか?
こうなると早く姉上に会って、事の次第を話さねばならない、無性に姉上に会いたくなった。
帝国暦483年8月5日 午前10時15分
■オーディン 憲兵隊総監部 ウルリッヒ・ケスラー
テレーゼ様の決闘観覧を許可した事に一抹の不安を感じながら、全ての部隊の展開を終え、SPよりのライブ中継を見ていたとき、ヘルクスハイマー伯爵の黒い決闘者がテレーゼ様に向かい銃を放ったとき、私は心臓が止まりそうになった。直ぐさまオフレッサー大将が楯になってくれたため、テレーゼ様にお怪我はないようであったが、早急にSPの指示と宮殿へのご連絡を行ったのであるが、宮殿に連絡が取れなくなったのである。
宮中警備隊からは、近衛が完全武装で宮殿及寵姫の方々の館へ進軍しているとの報告が入った。そう言えば今日、皇帝陛下は皇太子殿下がクロプシュトック侯爵の釈免を求める日だ、クロプシュトック侯は亡きクレメンツ大公の支持者、よもや彼の者がクーデターを引き起こしたのか、早急に皇帝陛下と皇太子殿下の安全を確保しなければ成らない。
そうしている間に、テレーゼ様より連絡が有り、テレーゼ様のホットラインでも皇帝陛下とご連絡が出来ないと判った。テレーゼ様から、上空にいるミッターマイヤー、ビッテンフェルト両准将に上空警戒を確りやる事と、艦艇一隻をリッテンハイム侯荘園に降下させよとご命令を頂いた。
焦るな、ウルリッヒ、焦っても何も生まれない、テレーゼ様は無事。近衛に対しては宮中警備隊で対応がある程度まで可能だ、皇帝陛下、ご無事で・・・・。
ケスラーは、此のあと八面六臂の活躍をしていくのである。
帝国暦483年8月5日 午前10時20分
■オーディン上空 ウォルフ・デア・シュトルム分艦隊旗艦イェータランド ウォルフガング・ミッターマイヤー
「なんですと、殿下が」
ケスラー少将からの連絡に俺は一瞬耳を疑った、テレーゼ様が暗殺されかかった。ヘルクスハイマー側の決闘代理人にいきなり撃たれたらしい、幸い弾はお守りしていたオフレッサー閣下が身を挺して防いだそうだ良かった。テレーゼ様の万が一に事があった
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