第百二十一話 ラインハルトは何を思うか
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人ならば、平気で有ろうと思ったのだが、やはり女性であったのかと思ったが、その直後の大男の発言が、俺とキルヒアイス、共に驚愕を覚えたのだった。
何故なら馬場に降りた大男が鬘を脱ぎすて『者共静まれ!儂が装甲擲弾兵副総監オフレッサー大将だ!』と叫んだのだ。あの時キルヒアイスと戦ったミンチメーカーと悪名高いオフレッサーだったとは、そして奴を暗殺しようとしたのかと思ったのだが、その後、SPの輪から出てきた少女に違和感を覚えた。
その少女がウィックを脱ぎ捨て、オフレッサーに負けないような声で叫んだのだ『妾はテレーゼ・フォン・ゴールデンバウムじゃ皆のモノ静まれ!』と、俺は驚いた、あの小娘だった。俺が憎むべき皇帝の娘の1人であり、チシャ地獄に落とし入れた奴だ!
『ヘルクスハイマー!リッテンハイム!妾を害しようとは見上げた根性じゃ!』なるほど、リッテンハイムは自分の娘を皇位に就けたがっているのか、それで暗殺を、そうなると俺は出汁に使われたのか!怒りが沸き起こってくる。貴族の輩は腐っている!俺がこんな奴等を早く始末してやるんだ!そして姉上を取り戻すのだ!
リッテンハイムとヘルクスハイマーが拘束され、ノイエ・サンスーシに連行されるらしい、此であの2人もお仕舞いだな。俺は大貴族の没落に腹から大笑いしたい気分だった。所が隣ではキルヒアイスが、事態の推移を見ながら、何か考えて居るらしい。男爵夫人や子爵家夫妻も益々蒼い顔に成っていく。いったいどうして其処まで蒼くなるんだ。リッテンハイムやヘルクスハイマーが主犯で有れば、奴等が滅んで清々するではないか?
「ラインハルト様、此は非常に不味い状態です」
「どうしてだ?キルヒアイス、俺達は単なる決闘を受けた側で、其処まで不味い状態じゃ無いと思うが。相変わらずキルイアイスは苦労性だな」
俺の言葉にニコリともせずにキルヒアイスが話を返してくる。
「とんでもございません。端から見たら、皇女殿下を暗殺するために、リッテンハイムとヘルクスハイマーが策謀を働かしたように見えますが、貴族からしたら、態々ラインハルト様が決闘者として出る事で、皇女殿下をおびき出したと捉えかねません」
「俺がか!」
「シェーンヴァルト男爵は姉であるグリューネワルト伯爵夫人に頼まれ邪魔な皇女暗殺に手を貸したと・・・・」
「キルヒアイス!姉上がそんな事をするわけがないだろう!」
キルヒアイスの言動に俺は怒鳴り声を上げてしまった。
「ジークは、一般の貴族の考えを言っただけよ。ジークの辛そうな顔を見なさい!」
男爵夫人が俺を睨みながら諭してくれる。そうだキルヒアイスは、姉上の悪口など言わない。
「ライハルト様、お怒りは尤もですが・・・・・」
「キルヒアイス済まない」
「2人とも、殿下の御前よ大人しくしていなさい」
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