暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
1844話
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 馬鹿じゃない、馬鹿じゃない、馬鹿じゃない……
 空き教室の中に、ゆかりの声が響き渡る。
 いやまぁ、釜玉うどんを弁当として持ってきたのは、ゆかりにとっては色々と衝撃的だったんだろうが、だからといって叫ぶ事はないと思うんだがな。

「一応味付けも出汁醤油以外に、吸物の粉末を使った奴とかあるんだぞ?」
「あのね……誰もそんな事は聞いてないでしょ」
「……ゆかりが食いたいなら、ゆかりの分もあるけど、どうする?」

 空間倉庫に入っている釜玉うどんは、かなりの数がある。
 それこそ、ゆかりに1杯や2杯食べさせたところで、問題がない程度には。

「……貰うわ」

 俺の手の中にある釜玉うどんを見て、結局ゆかりはそう告げてきた。
 教室の中に広がる釜玉うどんの匂いにやられたのか、サンドイッチを袋に戻すゆかりに、空間倉庫から取り出した釜玉うどんの入った紙の丼と箸を渡す。

「ちなみに、薬味はどうする? 長ネギ、ミョウガ、鰹節……といったところがあるけど。ちなみに俺のお勧めはミョウガだな。まぁ、この時季のミョウガはハウス栽培で旬の代物じゃないけどな」
「じゃあ、それで」

 どこか疲れたように呟くゆかりに、ミョウガを渡す。
 ちなみにこのミョウガは、縦に千切りにしたミョウガだ。
 薬味として使うにはちょっと大きいが、そこがまた俺は気に入っている。
 横に千切りにしてもいいのだが……まぁ、この辺は長ネギも白髪ネギにしたり、普通にみじん切りにしたりするのと同じようなものか。
 ともあれ、釜玉うどんにミョウガの千切りをトッピングし、ゆかりはうどんを口に入れる。
 ……釜玉うどんに限らず、ラーメン、蕎麦、うどんといった麺類は音を立ててすすって食べるのがいいと思うんだが、ゆかりにとってはそれが恥ずかしいのか、音を立てずに口の中に入れて食べていた。
 いやまぁ、食べ方は人それぞれだから問題はないんだろうけど。

「っ!? 美味しい……」

 美味いというのが余程予想外だったのか、ゆかりは目を大きく見開く。
 それこそ、俺が実は異世界からやってきたというのを知った時くらいの驚きようだ。
 いや、そこまで驚く事か?
 実際、荒垣から教えて貰った釜玉うどんの作り方は、そこまで難しい訳じゃない。
 うどんを茹でて溶いた生卵に混ぜるだけという、人によってはカップラーメンよりは手間が掛かってるがインスタントラーメンと同じくらいじゃないのか? と言ってくる奴がいてもおかしくないくらいには。
 ただ、添加物とかそういうのを考えると、やっぱりカップラーメンやインスタントラーメンよりは健康にはよさそうだが。
 一応水菜とエリンギ、鶏のササミを具として入れてあるので、栄養バランス的にもそんなに悪くない筈だし。
 確か鶏のササミとか卵は
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ