第二話「変身ッ!」
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模様が点灯し、次第に激しく回転し始めたのである。
「……身ッ!」
言い切った叫びに連動するかのように、周辺から生じた緑色の竜巻が俺を覆いつくす。その瞬間、竜巻はすさまじく破裂して消滅し、俺に突っ込んでくる戦闘員の一団は一斉に弾き飛ばされた。
そして、破裂した竜巻の目の中にいた姿は……
「仮面……ライダー……?」
朱鳥は目を見開く。
大柄な黒いライダースーツに銀色の新緑のプロテクトアーマー、そして、どこかバッタをかたどったその仮面のヘルメット、そして首から赤いマフラーが風になびく。それは紛れもなくあの「仮面ライダー」であった。
「こ、これは……!?」
俺は異変が起きた自分の身なりを見下ろし、両手の掌を見つめた。
「くそっ! あと少しのところで……あのデブ小僧、変身したのか!?」
だが、カラスロイドはためらうことなく戦闘員に命じる。
「ひるむな! 相手は成りたてのライダーだ! 殺せ!?」
すると、戦闘員どもは奇声を発しながら、構うことなく再び起き上がって俺に襲い掛かる。
だが……
「うわぁ!」
俺はとっさに片腕で防ごうと体制をとった。しかし……
パリンッ……!
振り下ろす戦闘員の刃物が俺のアーマーや他の個所へ切りつけてくるが、刃物の刃がそこに当たった瞬間に、刃物を跳ね返されて刃が脆く砕け落ちてしまった。
「キィ!?」
その、事実を目に戦闘員は衝撃を受けて砕けた刃物の握り手を見つめた。
「こ、このぉ!」
その隙に、俺はがむしゃらに戦闘員へ鉄拳をふるった。もちろん、ケンカなんてやったためしがない。だが、やるしかない。ケンカは苦手だが、とにかく暴れまわるしかない。
戦闘員を相手に大立ち回りしながら暴れだす俺。
殴って殴りまくって、逆に殴られてもすぐに殴り返して、体力がつく限り俺は必至で暴れまわり、抵抗し続けた。
俺のでたらめな殴り方で、戦闘員は激しく飛ばされてしまう。これが、仮面ライダーの力だというのか? ダメージを受けようとも俺はなりふり構わず暴れ続けた。
次々と戦闘員が俺のがむしゃらな拳や蹴りを受けて吹き飛ばされていく。どうやら俺の攻撃は続いているようだ。
あらかた、周囲の敵を倒したと思う。次はだれが相手だ!? 俺は、視界から索敵するも、しかし……
「く、九豪君!?」
「桑凪さん!?」
暴れるのはいいが、朱鳥のことは頭に入っていなかった。彼女がはじめから戦闘員の数人に捕らえられていることを忘れていた。
「やっべぇ!」
くそ! こうなったら手も足も出せない。かといって、このまま奴らに好き放題されるわけには……
「九豪君……」
不安を抱く朱鳥を目に、俺は苦虫をかみしめるほどであった。
「くそ! どうすれば……」
「ホッパー! これ以上抵抗するなら、その小娘の命はないぞ? おとなしく抵抗をやめることだ
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