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仮面ライダーLARGE
第二話「変身ッ!」
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年が足を踏み入れた。
帽子を深くかぶり、その視線で周囲の状況を見渡す。
「……ここが、熊牙神社か? 聞いた通りの大社だな? さて、例のベルトはここにあるのかね?」
気配を殺し、青年は砂利の上でも足音を立てず、そのまま潜むように境内の奥へと突き進んでいった……

「はい、どうぞ?」
社務所の休憩室にて、僕は朱鳥からお茶をもらっていた。休憩室は神社らしく和風で畳と、卓袱台があった。
「あ、どうも……」
俺は、冷たい麦茶と和菓子を頂いた。そして、卓袱台が挟んだ向かいの畳に座って、同じように麦茶を飲んでいた。
「あの……桑凪さん?」
「何ですか?」
「……どうして、俺を誘ったの?」
「それは……あ、無理に正座しなくていいですよ? 足を崩してください。胡坐とか楽な姿勢で結構ですから?」
と、朱鳥はやや踏ん張る表情で正座を維持している俺を見た。俺は正座ができない。両足のしびれに耐えながら和室ということと、他人の部屋にいるということで、つい……
「じゃ、じゃあ……遠慮なく」
俺は、足を崩して痺れた両足をほぐした。
「そ、それで……どうして俺を誘ったの?」
「あ、そうでしたね! えぇっと……これを?」
そういうと、朱鳥は一枚の文通を俺に見せた。その内容は意外なもので、俺にも見覚えのある文中であった。
『本殿に眠りし数十年の封印を解き放て。また、それを九豪雷馬なる若人に装着させるのだ。それまでの間、盗人や「ショッカー」の出現には十分に注意すること。さすれば、桑凪朱鳥の記憶もよみがえらん……』
……と、ここで文章は終わっていた。何やら、意味の分からない中二病めいた文章なことだ。いったい、宛先人は何を伝えたいのか? そもそも、俺のメールと同じ宛先人の可能性が高い。これは単なる悪戯にすぎないとしか考えられなかった。
「この……手紙の内容、心当たりない? 九豪君」
「それ……この前、俺のパソコンのメールにも届いてたよ?」
俺も、心当たりと言われて咄嗟にそのことを思い出した。
「……」
「お、俺じゃないよ!? 俺じゃないって!?」
疑われているかと思い、俺は焦って全力否定すると、それに驚いて朱鳥は胸元を揺らした。
「べ、別に疑ってはいませんよ? ただ……この内容に九豪君のお名前が載っていたから……違う意味で」
「……怖かったら、警察行く? 俺のところにもメールは来ているけど、一通しか着てなかったし、俺はともかくだけど……そっちは?」
「私のところにも一通しか……宛先人は、なんていう名前ですか?」
「あんまみなかったけど、確か……『KWS』っていう三文字のアルファベットだったとおもうよ」
「K,W,S……」
その三文字に、朱鳥は顎を抱えて何か心当たりでもあるように考え込んだ。もしかして、知っている人間なのか?
「知っている
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