一話
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いだ。
そして唐突に口を開く。
「金欲しさに目が眩み先の茶店で客の婦女子を襲撃。挙句の果てには店主自らを拐かし暴力で事を解決しようとするその腐った性根‥‥‥見過ごすわけにはいかんな。よって天に代わって成敗致す」
「なぁにを!この下民風情がっ!ものども。であえい!であえい!」
いつの間にか新之助に目を向けていた悪徳代官は叫ぶ。
その瞬間、ゾロゾロと刀を持った生徒が新之助を囲むようにして現れた。
新之助は大きなため息をつくと静かに腰の刀を抜き、刃を反転させる。
いわゆるみねうちである。
「この生意気なやつを叩き斬ってしまえー!」
「でやぁあああああ!!」
目先の生徒が袈裟斬りを放った。
新之助の肩目掛けて振り下ろされる刀身。
がそれを跳ね返し、胴を叩く。
それを皮切りに周囲の生徒も斬りかかって来た。
キィン。
「グワッ!」
ガキン。
「ウグッ」
横一閃に来る刀をはじき返し、素早く一撃を入れる。
時には三人係りで斬りかかって来る。
一人は左から、一人は右から。そして後方から。
しかし難なく捌き気絶へと追い込んだ。
新之助の強さに怯え徐々に後退する生徒たち。
「な、なんなんだ!?」
「つえぇ‥…」
前に進む新之助は縁側でも戦闘を繰り広げた。
「グフッ」
弾き飛ばされた生徒が一室の障子に突っ込んだ。
その衝撃で八雲がいる部屋が露わになる。
「!大丈夫か」
手足を塞がれた八雲の拘束を刀で器用に解く。
「助かった!新さん!」
安堵の色を浮かべた。
だが相も変わらず二人を囲む生徒の数は減らない。
「クハハハ!飛んで火にいる夏の虫とはこのことよ!その狭い空間ではにげられまい」
悪徳代官が盛大に笑い声を上げた。それにつられてか悪徳商人も笑っていた。
しかし対照的に新之助の顔は涼しいものだった。
ピューイ
一羽の鷹が部屋に入り込んできた。
「八雲を攫って!縛って!いじめるなんて!雇い主へのこのご無体!断じて許すわけにはいきません!」
凛としてそれでいて活発さをイメージさせる声が暗闇から聞こえる。
「新!」
どどーんと大きな胸を張り現れたのは八雲の‥‥‥茶店の用心棒徳田新だ。
刀を抜くと刀身を悪徳代官に向けた。
「はっ!いくら増えようとも貴様らはたったの三人だ。おい!こいつらを生きて返すな!」
キィン、キィン。
襲う斬撃をはじき返し、生徒の首を胴を背中を狙い瞬く間に新之助と新は戦闘不能に追い込んでいった。
「後はおまえだけだ。神妙にお縄につけい」
最後に残ったのはすべての黒幕、悪徳代官但馬屋。
「き、貴様らぁ!!」
地面に突っ伏して
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