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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百話 「チート転生者」シャロン・イーリスと対峙します。
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故それをもっともっと、もっともっと、もっともっと重大にとらえなかったのだろう。
「どうするんですか?」
ユリアンが自分に話しかけてきたと理解した時、少年の眼はまっすぐこちらを見ていた。リビングにはヤンの父親が持っていた骨董品の古時計が時を刻む音が流れているだけだった。
「・・・提案を受けることに変わりはないさ。」
3分後に答えは帰ってきた。
「あの人を倒すことはできない。同盟を短時間で自らの配下にしてしまった手法は常人で話しえない。」
「・・・・・・・・。」
「あの人の考えていることは非常極まりない事だ。恐らく帝国軍に対して凄惨な戦いを仕掛けることだろう。そして、それは紛れもない事実だ。誇張でも脚色でも何でもない。」
ヤンはその光景を思い起こしたらしく額に手をやったが、それを払い落とすように首を振って、
「だとしても、私は戦わなくてはならない。帝国軍数千万人を殺すことになるとしても、130億人をただ黙って見殺しにするよりかは多少なりとも良心に恥じないで済む。こいつはとんだエゴイズムだろうけれどね。」
人間を助けるために人間を殺す。傍から見ていれば狂気を帯びた行為ととらえられても仕方のない事なのかもしれないと、ユリアンは思った。
「そう、やらなくてはならないんだ。130億人の人質を解放するために、一人でも多くの人をあの人の魔手から解放するために、どうしても。」
ユリアンはうなずいた。ここでヤン一人が逃げてしまうようなことがあれば、ユリアンとしても養父をなじらずにいられなかっただろう。
「一方の人間を解放するために、もう一方の人間を殺す、か・・・・。」
ヤンがどのような思いを持っているか、ユリアンにはわからないが、その口ぶりから平然とは程遠い心境にあることは間違いなかった。
「でも、やらなくてはならない。私は多くの人を見捨てて自分だけ逃げられるような肝の太い人間じゃないからね。」
というヤンらしいコメントを残し、彼は立ち上がった。行動を起こすためではなく、ユリアンにホットミルクを飲ませるためだった。
* * * * *
クククク、とシャロンは笑みを漏らし、ヴィジホンから手を放した。本来これは私設回線のみの対応物なのだが、魔力によって一時的にヤンとの間に通信を構築したのである。成功するとは思っていなかったが、相手は案外あっさりと陥落した。どのような思惑があろうと関係ない。要はヤン・ウェンリーが自分に協力をすることそれ自体が重要なのだ。
「ヤン・ウェンリーに全軍の半数を指揮させ、残る半数と130億人の手駒をもって私が帝国軍を文字通り消滅させる・・・。」
口元に微笑がうかぶ。シャロンは民衆を解放すると言ったが、あくまでもそれは「生き残った民衆」である。彼女は更なる手段をもって帝国軍を恐怖のどん底に叩き落す手段に使役
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