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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百話 「チート転生者」シャロン・イーリスと対峙します。
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ヤンが激昂するユリアンを制した。冷静さを一ミリも崩していない。
「そちらの坊やはユリアン・ミンツさんでしたかしら?ヤン提督の後継者となる人でしたわね。あなたに足りないのは自分の眼で物事を見て、自分の眼で考えること、そしてそのカッとする性格を直すことですかしらね。あなたは特に思考過程や精神面においてあまりにも養父に頼りすぎていますわ。まぁ、あのような幼少期を過ごされてきたのであれば無理もない事だけれど。」
「なっ・・!!!」
たじろぐユリアンをしりめにヤンは舌を巻いていた。どうしてシャロンは一度もあったことのないユリアンの性質を看破したのだろう。いや、そのような事はどうでもいい。今は目の前の相手に集中しなくてはならない。
「検討するにあたって、こちらからも条件があります。最高評議会議長閣下。」
『条件という物は相手に対して対等な立場の人間がつけることですわ、ヤン提督。私がその気になればすぐに新・憂国騎士団をそちらに差し向けるか、私自身が出向いてあなた方を一瞬で殺すこともできるのですよ。殺したところで何の罪もありませんわ。最高権力者の決定になびくのが民衆でしょう?』
「あなたは私と交渉せざるを得なくなりますよ。」
間髪入れずに飛び込んだ言葉にシャロンの口が閉ざされる。
「仮にあなたが万能ならば、そもそも私を当てにすることはないはずです。あなたの指揮で帝国軍を全滅させられるならね。」
今度はシャロンが沈黙した。ただし、微笑は消していない。
「私を当てにしたのは、憚りながら私の能力が帝国軍に対抗できる唯一と言ってもいい駒だからだ。違いますか?」
『・・・・・・・・。』
「あなたはどうやら少なからず未来を予知できる能力があるらしい。その未来とやらがどういったものはわたしにはわかりませんが、だからこそ、普通ならばあてにしない存在の私にこうして声をかけてきたのです。普通ならばシトレ閣下やビュコック閣下ら正規艦隊司令官、あるいはブラッドレー閣下に声をかけるはずでしょう。」
『・・・・・・・・。』
「あなたがそのように手の内を明かした理由はわかりませんが、あなたが私という人間を評価しているのであれば、こちらはそれ相応の条件を求めてもいいはずでしょう。」
フッ、という含み笑いと共にシャロンは一瞬ヤンから視線をそらし、また彼を正面から見つめた。
『それで、条件は何ですかしら。』
「まず、第一に私と私の養子、私の友人、艦隊幕僚、その家族らの身の安全の保障。第二に、さらには私が作戦を立案するにあたっては必要以上にくちばしを入れない事。第三に、私が協力するのはあくまでもあなたの保証があるという前提での話であること。」
『随分と抽象的な条件ですわね。総合すると、ヤン艦隊の完全な行動の自由権及びその安全保障、というところかしら。』
「・・・・・・・。」
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