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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百話 「チート転生者」シャロン・イーリスと対峙します。
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ロリーネ皇女殿下はつぶやいた。
* * * * *
自由惑星同盟はシャロン・イーリスの指導の下、熱狂的な衝動に突き動かされるように動き始めた。シャロン・イーリスを「永久的に最高評議会議長にすべし。」などという声が声高に聞こえ始めたが、同時にそれは民主主義の終焉、自由惑星同盟の終焉を意味していた。そのことに誰が気が付いていただろうか。
自由惑星同盟の軍備は拡大の一途を続けた。シャロンの魔手に侵された人間は、生きてさえいれば不満などを持たない。その結果、無償による各軍事産業の貢献が活発になり、自発的、いや、熱狂的な軍属志願者が続出し、自由惑星同盟の艦隊規模は急速に拡充していった。18個艦隊どころか、夜を日に継ぐ拡張で数年後にはそれが30個艦隊になろうかという勢いになってきていた。フェザーン資本を一方的に接収したその資金が財源ともなっていることも大きい。
さらに、アーレ・ハイネセンに続く移動要塞が着工され、対イゼルローン回廊のみならず、フェザーン回廊にも進出することが決定された。
カロリーネ皇女殿下がウィトゲンシュティン中将の副官となってハイネセンにある自由惑星同盟の士官学校に着任したのは、それから間もなくの頃だった。
「知っているわ、ご丁寧、ご苦労にも私の身辺を探りに来たことは。」
私が呼び寄せたのだけれど、という言葉を言わずに、シャロンは微笑を浮かべた。
「それをご存じならば即急な対策が必要かと――。」
「何を対策するというの?情報漏洩?放っておきなさい。」
アンジェ、カトレーナの注進をシャロンは意にも介さなかった。
「彼女たちがいくら私の懐を探ろうが、私の恐ろしさを知るだけの事。同盟の軍事機密、政治機密など、今更何の意味もないわ。理解するのは、狂乱、狂奔を纏った愚かな信者たちが同盟を包み込んだというただそれだけの事実。」
フフフフ、とシャロンは笑い声を立てた。
「それよりも今は自由惑星同盟のすべてを掌握することに傾注したいの。残すは・・・・。」
「ダゴン、ティアマト、エルファシル、そして、アスターテ星域です。」
アンジェが述べた。
「あまり時間がないわね。帝国もブラウンシュヴァイクをすぐに下し、こちらにかかるでしょうから。」
シャロンは少しの間考え込んでいたが、
「艦隊の整備と拡張、訓練を徹底させ、イーリス作戦の総仕上げにかかってちょうだい。私は『視察』の名目で各星系に赴き『支配』してやるわ。」
「では――。」
「アーレ・ハイネセンの出立準備を。」
帝国には手を出さず、自由惑星同盟の支配を完遂させ、やがてやってくる帝国軍を奥深くにまで誘い込んで圧倒的な大兵力をもって絶望の底に突き落とす。それがシャロンの欲する手だった。
アンジェとカトレーナが出ていくと、シャロンも出立準備をすべく立ち上がったが、その脚
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