暁 〜小説投稿サイト〜
ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百話 「チート転生者」シャロン・イーリスと対峙します。
[2/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ーネ皇女殿下に近づいた。
「私たちだけが知っている。転生者である私たちだけが――。」
手首を掴まれたまま、カロリーネ皇女殿下は気圧されるようにつぶやいた。
「彼らは、自由惑星同盟を滅亡に追いやった・・・・。」
シャロンもまた転生者ではないか。そう考えていたのは――。
「私だけではなかったのね・・・・。」
「彼女は自分の障害となる人間を悉く始末する人間です。そのような人を探ることなど、危険以外何の要素もありません。だからこそ、私はあなたと共に行きたい旨を何度も上官に申し出ました。ですがそれはかなわなかった。」
アルフレートはカロリーネ皇女殿下の白い華奢な手首から手を外し、視線を外した。悔しそうに歯を食いしばって。
「本音を言えば、あなた一人で行かせたくはないんです。」
アルフレートの言葉はカロリーネ皇女殿下の胸をうった。
「でも・・・一人で行かなくてはならないわ。」
「だから無茶をしないで下さいとお願いするしかない。」
「わかってる。・・・・そんな顔をしないで。」
カロリーネ皇女殿下は微笑みかけた。本当は不安で一杯だったけれど、この「年下」の転生者にそんな顔を見せることはできなかった。
「お姉さんを、信じなさい。」
「上官の顔を滅茶苦茶にするお姉さんを、ですか?」
「時と場合によります。」
カロリーネ皇女殿下はすましてそう言った。二人は一瞬笑いあった。そう言えば、とカロリーネ皇女殿下は思う。こうして二人でいることなどあまり最近ではなかったのだな、と。
「あ、それよりも聞いた?今度同盟に最新鋭戦艦が配備されるという話。」
寂寥感を押し隠そうと敢えて別の話題を振ってみた。
「聞きました。軍拡の一環で、次世代級の艦だそうですね。これまでのフォルムとは全く違うものだと聞きました。しかも、設計者は最高評議会議長自らだそうですね。」
アルフレートがTVをつけた。ちょうど折よくその特集が大々的に放映されている。シャロン・イーリスが設計した次世代級戦艦の話題は自由惑星同盟各界で取り上げられていた。鹵獲した帝国戦艦の技術を流用した、大気圏降下も可能な流線形の戦艦だという。二人はしばらくそれに見入っていた。
「・・・・・普通こういうものは軍事機密の中でも最重要機密なのに、それを大っぴらに宣伝するんだから。底なしの自信家だわ。」
「違いますよ。大気圏降下が可能だという事は、いわば使い道は帝国と同じだという事です。反乱鎮圧を視野に入れているという――。」
アルフレートの顔色が悪い。カロリーネ皇女殿下はTVを見た。このところメディアでシャロンの顔を見ない日々はない。
「自由惑星同盟は、シャロンの就任をもって、終わったのね。シャロンは、ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムと同じ、いいえ、それ以上に悪い存在だという事になってしまった。」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ