裏切りの世界
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キーンコーンカーンコーン。
授業が終わりを告げるチャイムが鳴ります。
「じゃあ出した宿題をちゃんとやってくるのよー」
はーい。とクラスメイトのみんなの声。担任の先生の授業でした。国語でした。本を読むのが好きなわたしは国語は得意科目といってもいいです。
幼い頃から絵本が大好きで今では漫画の方がメインとなっていますがたまに小説も読んでいます。
活字を無性に欲する時ってありますよね。
そんなときは本屋さんの中古本コーナーに行って新し本との出会いがないか探して回ります。それがすっごく楽しいです。
学校に漫画は持って来たらいけないので小説を持参すると盗まれたり、貸したのに帰って来ないなんてことになると困るので、自習と復習を兼ねて先ほどやった国語の教科書を開きます。
机の上にうつ伏せになって自分の世界に入り込むのも良いですが、本を開いて物語の世界に飛び込むのもまた楽しいです。物語の世界ではわたしはなんにだってなれるから。
勇者にも、可愛い幼馴染にも、悪の魔王様にだって、なんにだってなれます。だから今日は自分の世界ではなく物語の世界へと_
「――ちゃん」
また来ましたじゅっちゃんです。目の前に仁王立ちして嬉々として話しかけて来たのは旧友のじゅっちゃん。
入ったばかりの中学校生活、お互いクラスにまだ友達を作れていません。だからじゅっちゃんは旧友であるわたしに話しかけます。
―まるで従来からの親友のように。それが当たり前のように。
休み時間になると決まって現れます。鬱陶しいと感じますがまあわたしもそれを邪険にできるほど気も強くないので、笑顔で答えぎこちのない何が楽しいのか分からない会話をします。いいえ、一方的に話して来るじゅっちゃんの話をそうなんだぁとあいづちするだけです。
キーンコーンカーンコーン。
「鳴っちゃった〜。じゃあまたね〜」
休み時間が終わった事を告げるチャイム。終わった。終わってくれたのはいいけど、わたしの休憩時間も終わってしまった。全然読めなかったな…教科書。
―でもそんな苦痛な時間も長くは続きません。だってじゅっちゃんですよ?
二週間たったある日の朝。
「でさ〜」
「うんうんっ」
「本当!?」
楽しそうにクラスメイトの子達と話すじゅっちゃんの姿。そうか友達出来たんだね。良かったねじゅっちゃん。なんだかわたしまで嬉しくなってきます。
あまり人と関わるのは好きではない。皮肉な話しですがクラスにじゅっちゃんしかいなかったのはわたしも同じこと。彼女が居なくなってしまったらわたしはぼっち確定。それは困ります。主にグループ分けの時に。
だから勇気を振り絞ってじゅっちゃんに話しかけ
「………」
ぇ。
「あ〜〜〜おはよ〜〜〜」
横を素通りされて教
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