ペルソナ3
1843話
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」
「ええ。お願い」
「……この席を取る為に、長鳴神社で賽銭を奮発して、おまけに祈りに祈ってようやく手に入れたのに……」
小さく呟く声が聞こえてくるが、幸いながらその声は隣のゆかりには聞こえていなかったらしい。
うん、まぁ、ゆかりは月光館学園でも人気のある女だ。
その隣の席ともなれば、当然のように競争率が高くなるんだろう。
このクラスの席替えがどのように行われているのかは分からないが、こういう場合は大抵くじ引きとかの筈だ。
現に、ゆかりの隣で悲壮感漂っている男も、祈ったとか何とか言ってるし。
ちなみに、鳥海が俺をゆかりの隣の席にしたのは、単純に自分に面倒がこないようにという事からだろう。
何か分からない事があれば、自分ではなくゆかりに聞けと。
俺とゆかりの仲がいいと……少なくても休みに一緒に花見に行くくらいの仲ではあると知っているからこその行動。
うん、つくづく面倒くさがりだな。
そんな風に考えている間にも席は1つずつ後ろに下がっていき、ゆかりの隣の席が空く。
そこに順平が机と椅子を手に戻ってきた。
「はい、お待ち」
そう言いながら、順平は空いている場所に机と椅子を置く。
「まさか、アクセルが来るとは思わなかったな。……お前、俺と同い年なんだな」
「あー……まぁ、そういう事だ」
俺の正確な年齢は、20代……いや、魔法球とか色んな世界に行っている時の事を思えば、既に30代と言ってもいい。
だが、精神が肉体に引っ張られると言うべきか、基本的に肉体の若さに精神年齢もあっているみたいなんだよな。
もっとも、これは恐らく混沌精霊としての俺の力の1つ……という可能性もあるんだが。
ネギま世界で混沌精霊の情報を集めるにも、そもそも混沌精霊という精霊そのものが俺くらいしかいない。
まぁ、別に混沌精霊じゃなくて普通の精霊にその辺りの話を聞いてみてもいいだろうけど。
精霊の中には明確に己の意思を持つ者もいるのだから。
「ま、よろしくな」
順平は俺にそう告げると、自分の席に戻っていく。
俺もまた、持っていたバッグから教科書とかを机の中に入れると、そのまま椅子に座る。
そして、俺が座るのを待っていたかのように……いや、実際待っていたんだろうが、鳥海が口を開く。
「はい、じゃあもういいわね? アルマー君が何か分からない事があったら、皆で教えてあげるように。じゃあ、これでHRを終わります」
そう言ったのは、教室の外に教師の姿が見えたからだろう。
恐らく1時限目のこのクラスの授業を行う教師が。
慌てたように出ていく鳥海と入れ替わるように教師が教室に入ってくる。
その教師は俺の姿を見て、小さく頷くと、早速授業に取りかかるのだった。
授業そ
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